【ゴルフRと共通項多く】アウディSQ2に試乗 よくも悪くも強烈ではない フィジカル強し SUVの利点も
公開 : 2020.10.18 05:50 更新 : 2021.10.11 14:50
アウディSQ2の試乗記。アウディQ2がベースで、パワートレインはS3/VWゴルフRと同等品と考えてよいです。モデル名に「S」が付きますが、激しいわけではありません。ただしフィジカル強し。SUVの利点も。
VWゴルフRと共通項多いアウディSQ2
欧州では2018年秋のパリモーターショーで初公開されたSQ2だが、日本では少し遅れた昨2019年末に発売となった。
最大のキモとなるパワートレインは、300psの2.0L直列4気筒ターボ+7速湿式DCT+ハルデックスカップリングによる電子制御オンデマンド4WD……で、これは同じアウディでいうとS3(あるいは同じグループ内のVWゴルフRなど)と同等品と考えていい。
ご承知のように、アウディの市販スポーツモデルには性能レベルに応じて「S」と「RS」があり、SQ2は前者にあたる。
ただ、AUTOCAR英本国版ではSQ2の事前スクープ情報時点から、さらに高性能な「RSQ2」の存在が示唆されてきた。
それはRS3と同じ2.5L 5気筒ターボを積むと予測されているが、残念ながら、いまだに市販化はかなっていない。
Q2といえばアウディ最小SUVであり、ボディサイズとしてはBセグメントと定義できる小ささなのに、1つ上のCセグメントでも最強級といえるパワートレインを搭載できるのは、Q2の骨格設計がVWグループのMQBモジュールだからである。
MQBといえば、B~Dセグメントという非常に幅広い車格で骨格を共通化できるモジュール構造だ。
良くも悪くも、そこまで強烈ではない
Bセグメントのボディに300ps/40.8kg-mのエンジンをねじ込んで……というSQ2の成り立ちから想像すると「さぞかし、戦闘的で粗っぽいクルマでは?」と思われるかもしれない。
しかし、実際のSQ2の乗り心地は良くも悪くも、そこまで強烈なものではない。
もちろん、そのフットワークは絶対的には硬いのだが、実際の乗り心地はひと昔前の200ps級FFホットハッチあたりと大差ない。
ヒョコヒョコと細かい上下動が目立つのは事実だが、路面からの突きあげをマイルドに吸収してくれるので、この種の高性能スポーツコンパクトを欲しがる向きには、十二分に許容範囲だと思われる。
しかも、そのフットワークを支えるのが、アナログの固定減衰ダンパーであると考えると、なおさら感心するところではある。
300psと40.8kg-mという動力性能を存分に解放したときのSQ2は、弾けるように速い。最新の直噴ターボらしく低中速から強烈なパンチ力を披露すると同時に、6800rpmのリミット付近まで勢いが衰えないところは、本物のチューニングエンジンのオーラがある。
走行モードを切り替えるドライブセレクトで「ダイナミック」にするとアイドリング回転も上昇してズボボボと不穏な低音が、そして走り出せば、笑ってしまうような豪快サウンドに室内は満たされる。
これはご想像のとおり、スピーカー音による演出である。