【多くのユーザーが納得できる】日産ジューク(最終回) 日常的な乗りやすさ 長期テスト
公開 : 2020.10.25 11:50 更新 : 2021.07.12 18:56
日本でもヒットした初代日産ジュークですが、欧州では2代目が登場しています。人気のコンパクト・クロスオーバー市場の中で、ジュークらしい個性とは何なのか長期テストで確認してきました。最終回として総評します。
もくじ
ー積算1万1413km 過剰反応な運転支援システム
ー積算1万1888km 多くのシーンで納得の仕上がり
ー広くなり、快適性を高めたインテリア
ー思いのほか運転を楽しめる
ーコンパクト・クロスオーバーに求めるすべて
ーセカンドオピニオン
ーテストデータ
積算1万1413km 過剰反応な運転支援システム
筆者は安全運転を常に心がけている。おそらくクルマのシステム以上に。
しかし日産ジュークの運転支援システムは、危険予知に対し安定した仕事をしてくれない。ほかの、多くのメーカーのシステムも似たようなものだけれど。
システムが過度に反応し、メーターパネルに赤い警告灯が点滅する頻度が多すぎる。高速道路で特に、隣の車線を走るクルマへ敏感なようだ。正直、役立っているとはいいにくい。
積算1万1888km 多くのシーンで納得の仕上がり
新しい日産ジュークのデザインは初代より控えめ。あまり目立つ方ではない。先代のスタイリングが挑戦的だったことを考えると、対照的ですらある。
日産ジュークは、ホンダeのようなレトロチックなスタイリングではない。トヨタGRスープラのように、スポーツカーとして大胆な造形でもない。でも、新型もベーシックなデザインとまではいえない。
搭載するエンジンは、116psを発生する1.0L 3気筒ガソリン・ターボエンジン。革新的なユニットではないが、英国サンダーランド工場で作られている。
コンパクト・クロスオーバーというカテゴリーは成長の一途。2代目のジュークは、キャシュカイ(デュアリス)に次ぐ日産の人気モデルだ。
長期テストで、ともにしてきた日産ジューク。多くのシーンで納得のいく仕上がりに、感心することが多かった。
広くなり、快適性を高めたインテリア
特に初代ジュークより良くなったのが、インテリア。素材の質感はだいぶ向上している。また特にリアシートと荷室回りで、空間も広くなった。
この車内空間の拡大を生んでいるのが、ルノー・日産・三菱アライアンスによるCMF-Bプラットフォーム。ルノー・キャプチャーやクリオ(ルーテシア)とも共有している。
上質さを高めたインテリアは、長距離運転も快適。座り心地の良い「モノフォーム」と呼ばれる新設計のシートも、貢献度が高い。
デザイン処理はライバルより控えめで、一部のドライバーにはむしろ好まれるだろう。別の英国編集部スタッフも、インテリアデザインはフォード・プーマより日産ジュークの方が好きだと話していた。
2代目ジュークで気になった点の1つが、インフォテインメント・システムの使い勝手。特にタッチモニターの操作性は良くないと感じた。近年では、ますます重要な要素になっている部分だと思う。画面操作に対し、反応しないことも多々あった。
鈍いタッチモニターの反応は別として、システムの構成自体は理解しやすい。アップル・カープレイへの対応も有用だ。
車内のマイナス点は、ほかにも。リアワイパーが動くたびに聞こえる、ダッシュボード裏側からのカチッという音や、コーナーを曲がる時にきしむシートのランバーサポートなども、改善を求めたい部分。リアシート付近からの、カタカタという音も気になる。
どれも些細なこと。しかし新車に2万3000ポンド(310万円)も支払うのだから、気になる点は少ない方が良い。