【1000psのスーパートラック】新型GMCハマーEV オフロード重視のピックアップ 2021年生産開始
公開 : 2020.10.22 10:50
新型GMCハマーEVが、1000psを発揮する電動スーパートラックとして発表されました。ハマーの名を復活させ、オフロード性能を重視。圧倒的な加速力を誇り、テスラ・サイバートラックに挑戦しています。
並外れたパフォーマンス
新型GMCハマーEVが発表された。「前例のないオフロード性能と並外れたオンロード性能」を実現する1000psの電動ピックアップトラックとして復活を遂げた。
1992年から2009年まで軍用車をベースにした公道仕様を販売していたハマーが、親会社のゼネラル・モーターズによってサブブランドとして復活。米国市場向けの電動オフロード車を発売することになった。
ハマーEVはテスラのライバル車として来年後半に生産を開始し、2022年には納車が始まる。
このデザインは、ハマーの伝統的な箱型スタイルに現代的なスタイリング要素を融合させたものだ。デザイン責任者のフィル・ザックは、「現代的な電動モデルの未来のために、すぐにわかるシルエットを再構築しました」と述べている。
ハマーEVは、GMの新しい電動パワートレイン技術「アルティウム・ドライブ」を採用し、2つのドライブユニットに3基のモーターを搭載している。これにより1000psと1590kg-mのトルクを発生させるというが、このトルクは計算上の数値と思われ、実際には138kg-m程度になるだろう。
いずれにしても、0-97km/h加速は約3秒と圧倒的だ。パワーはe4WDシステムで四輪に送られ、必要に応じてトルクベクタリングにより各ホイールへのトルク配分が調整される。
バッテリーは24のモジュールを2段積みにして配置し、蓄電容量は明らかにされていないが、フル充電で563km以上走行できるとしている。800Vシステムを搭載し、DC急速充電器で最大350kWの速さで充電できる。
オフロード走行に特化
ハマーEVのチーフエンジニアであるアル・オッペンハイザーは、e4WDシステムにより「これまでGMが提供してきたものとは比べものにならない操縦性」を実現し、「絶対的なオフロードのモンスター」になると主張している。
アダプティブ・エアサスペンションを採用し、「エクストラクト・モード2」システムにより車高を149mm上げて不整地の走破性を向上させることができる。
標準では35インチのオフロードタイヤが装着されており、37インチにも対応している。ボディの下面を保護するパンも備えている。
4輪ステアリングを標準装備しており、低速時に斜めに走行できる「カニ歩きモード」も特徴だ。
アンダーボディカメラなど18種類のカメラビューを搭載しており、GMは業界トップクラスと述べている。インフォテインメントおよびデジタルメーターには、トルク、出力、ピッチとロール角、フリクションサークルなどを表示し、オフロード走行を支援する。
また、GMの運転支援システムであるスーパークルーズ8を搭載する予定で、自動車線変更に加えて、一部の区間ではハンズフリー走行も可能としている。
ハマーEVは当初、特別仕様車「エディション1」が発売される予定で、多数のドライブモードと前後アクスル間のトルク調整機能を備えたドライブモード・コントローラーを搭載する。
また、取り外し可能なクリアパネルを備えており、フロントのラゲッジスペースに収納できる「インフィニティ・ルーフ」が標準装備される。リアガラスを下げることができるほか、荷台にはトノカバーも用意されている。
内装としては、13.4インチのデジタル・インフォテインメント・スクリーンと 12.3インチのデジタル・ドライブディスプレイを搭載する。
ハマーEVは、最近EV生産用に改装されたのデトロイトのハムトラック工場で生産される。このモデルを皮切りに、ハマーブランドのEVが続々と登場する予定だ。