【ニュルで17秒短縮】新型フォルクスワーゲン・ゴルフR 発表 320psのシリーズ最速モデル
公開 : 2020.11.04 21:17
フォルクスワーゲンの新型ゴルフRが発表されました。最高出力320psを発揮し、ゴルフ・ファミリーで最も強力なモデルです。軽量化とハンドリング向上を実現したほか、新しいドリフトモードが追加されました。
大幅なパワーアップと軽量化を実現
8代目となる新型フォルクスワーゲン・ゴルフRが発表された。ゴルフ・ファミリーの中で最も速く、最もパワフルなモデルだ。欧州では11月末から発売される予定。
パワートレインは新型アルテオンRやティグアンRと同様に、2009年からRモデルに搭載されている2.0L 4気筒ガソリンターボエンジン(EA 888)を進化させたもので、320psと42.8kg-mを発揮する。
フォルクスワーゲンによると、0-100km/h加速は0.2秒短縮されて4.7秒に。さらに2100rpmから5350rpmまでピークトルクを発揮するという。
しかし、ゴルフRはパフォーマンスの向上だけではなく、ドライブ・トレインを改良してハンドリングとレスポンスを向上させている。アルテオンRとティグアンRと同じく、トルク・ベクタリングシステムのアップグレード版を採用。
フロントとリアアクスルのトルク配分を調整できるほか、後輪左右で振り分けることも可能だ。電子制御マルチディスククラッチを使用して、1ミリ秒以下でトルク配分を変更する。
その他、フロントアクスルのキャンバーは1.3度アップ、スタビライザーとスプリングレートは10%アップ、ステアリングはダイレクトなレスポンスを実現するため調整されている。
ブレーキシステムは1.2kgの軽量化を図り、フロントのアルミサブフレームも3kg軽量化。ブレーキディスクはフロントアクスルの直径を17mm拡大して制動性能を向上させ、マスターシリンダーを改良して「キレのある」ペダルレスポンスを実現している。
ゴルフRは標準モデルと異なり、20mm低い車高、モータースポーツスタイルのフロントディフューザー、大型のリアディフューザー、4本出しエグゾースト、専用ホイールが特徴的だ。ブルーのブレーキキャリパーと、フロントグリルのブルーの加飾により標準モデルとの差別化を図っている。
インテリアでは、ブルーのアクセントを施したスポーツシート、スポーツ・ステアリングホイール、ステンレス製ペダル、タッチスクリーンのR専用ディスプレイなどを採用。このディスプレイには回転数のほか、シフトチェンジのタイミングが表示される(マニュアルモード走行時)。
ニュルブルクリンクで17秒短縮
新型ゴルフRではオプションパッケージの「Rパフォーマンス」が復活した。250km/hのリミッターを解除して最高速度270km/hを実現するほか、リアスポイラーを大型化してダウンフォースを高め、19インチのスポーツホイールを標準装備している。
ドライブモードも2つ追加される。ニュルブルクリンクでのパフォーマンスを最適化するために特別に設定された「スペシャル」(先代モデルのラップタイムを17秒も上回ったという)と、「ドリフト」である。
ドライブモードは、ホイールに備わるRボタンで選択でき、長押しするとレースモードになる。
従来通り、アクラポヴィッチのチタン製パフォーマンスエグゾーストシステムが用意されている。標準よりも7kg軽量化され、排気量を調整できるようにバルブコントロールが導入されている。
走りへのフォーカスは強めているものの、MTが導入される予定はない。デュアルクラッチ・オートマチック(DSG)の需要の増加や、パドルシフトの装備が理由だ。
EA 888エンジンのアップグレード版が、よりハードコアなゴルフRプラスに搭載される可能性があるかどうかについては明らかにされていない。技術開発部門の責任者であるジャン・シーデック・ヨットは次のように述べた。
「優れたエンジニアは、自分が達成したものに満足することはありません。その観点から、将来的にはさらなる改良を検討するかもしれません」
これは、メルセデスAMG A 45 Sに対抗する、400psのゴルフRプラスが計画されているものと考えられる。
価格については未発表だが、おそらく3万4000ポンド(464万円)前後になると思われる。