【584psのV8搭載】初代ランドローバー・ディフェンダー110をラリー仕様に ボウラー「CSP 575」発表
公開 : 2020.11.05 11:50
クラシックなランドローバー・ディフェンダーが、584psのラリー仕様となって復活しました。JLR傘下のオフロード車メーカーであるボウラーが開発。V8スーパーチャージャーを搭載した高性能の4×4です。
クラシックなスタイリングを活用
初代ランドローバー・ディフェンダー110のスタイリングを採用した高性能のラリーマシンが発表された。
ジャガー・ランドローバー(JLR)の子会社であるオフロード車メーカー、ボウラーが開発した。
CSP 575と名付けられたこの4×4は、ボウラーの高性能ラリーカーのシャシーをベースに、L316世代のディフェンダー110のアルミボディを採用。584psのV8スーパーチャージャーを搭載している。
これは、ボウラーが昨年JLRに買収されてから初のプロジェクトであり、公道に特化した初のモデルでもある。
ボウラーは、JLRのカスタマイズ部門であるスペシャル・ビークル・オペレーションズ(SVO)の協力を得て独立した事業体として運営されており、ディフェンダー110のボディを使用するライセンスを与えられている。
SVO部門のトップであるマイケル・ファン・デル・サンデは、このマシンの0-97km/h加速が約4.0秒になる見込みで、「公道走行可能な非常に速いラリーカー」になるとしている。
この車両は、英ダービーシャーのベルパーにあるボウラーの工場で、年間12台程度の少量生産となる。価格は20万ポンド(2730万円)になる予定だ。
「このプロジェクトは、ボウラーのラリー経験、SVOのパワートレインとシステム、そしてランドローバーの象徴的なディフェンダーのスタイリングという3つの要素を融合させたものです」
ファン・デル・サンデはこう述べている。
「L316ディフェンダーのカスタマイズ車両は多く登場していますが、これはその究極のパフォーマンスモデルです」
CSP 575の性能の詳細は明らかにされていないが、ファン・デル・サンデは「非常に速い」としている。
「ラリーマシンということもあり、ハンドリングも刺激的です。見た目はディフェンダーに似ていますが、ボウラーのレース特性を備えています」
1000時間かけてハンドメイド
CSP 575は、2014年に導入されたボウラーのクロス・セクター・プラットフォーム(CSP)を採用。ディフェンダー90のラリーレイド車両に使われているものだが、ディフェンダー110の大型ボディに対応するように改良され、4人乗りのスペースを確保した。
製造は手作業で行われ、1台あたり約1000時間を必要とする。今後は30人程度いるスタッフを徐々に増やしていく計画だ。
元JLRクラシックのトップであり、現在ボウラー社を率いるカルム・マッケニーは、次のように語っている。
「これは、ボウラー社の顧客が求めているモデルです。ディフェンダーのクラシックなスタイリングは、同社が長年にわたって生産してきたラリーレイド車から自然に発展したものであり、本当に求められていたものでした」
先代ディフェンダーのレストアやカスタムの市場は、近年大幅に拡大しており、多くのチューニングメーカーが独自の製品を提供している。ボウラーは事業を拡大し、JLRクラシックの公式パーツなどを販売する。
ファン・デル・サンデは、ライバル会社を廃業に追い込むのではなく、JLRに「ケーキの一切れ」を与えることが目的であると述べた。
「わたし達は、クラシックビジネスを通じて多くの部品やアクセサリーを販売しており、L316ディフェンダーの究極の表現として、CSP 575を発売しました。他のメーカーもパフォーマンス・アップグレードを提供しているので、わたし達もそれを大きく飛び越えて、他にはないダイナミックなことをしたいと思っていました」