【軽量が武器】ポルシェ・ボクスター・ベルクスパイダー シングルシートのヒルクライマー ミュージアム所蔵モデル公開
公開 : 2020.11.22 10:01
ポルシェ・ミュージアムが所蔵するボクスター・ベルクスパイダーは、かつてヒルクライムで活躍した軽量モデルにインスパイアされて開発。1130kgのボディにケイマンGT4のエンジンを積み、393psを発揮します。
驚異的なパワーウエイトレシオ
1950年代後半から、ポルシェは小型軽量スポーツカーを次々と投入し、アルプス山脈のモーターレースを席巻してきた。
1967年と1968年のヨーロッパ・ヒルクライム選手権では、ポルシェ910ベルクスパイダーが頂点に君臨した。
その時にはすでに、フェルディナンド・ピエヒ率いるレースエンジニアたちは、さらにドラマチックなポルシェ909ベルクスパイダーを製作していた。
先進的な軽量構造の採用により、このモデルの重量は384kgに抑えられた。これは、現在に至るまでポルシェが製造したレーシングカーの中で最も軽量なものとなっている。
大きな勝利を手にすることはできなかったものの、909ベルクスパイダーは軽量化の可能性を証明した。
時は流れて2014年、マイケル・マウアー率いるデザインチームはボクスター・ベルクスパイダーを開発し、ヘアピンカーブの伝説にオマージュを捧げた。
同時にこのモデルは、981世代のボクスターがアルプスのスイッチバックを克服するのにも理想的であることを示した。
小さなフロントガラス、特徴的なロールバー、ポルシェ918の精密機器一式、シングルシート、助手席の代わりにヘルメットシェルフを備えたボクスター・ベルクスパイダーは、快適性をすべて取り除いて、ヒルクライムに挑む準備を整えている。
その重量はわずか1130kgで、ケイマンGT4の3.8Lエンジンが393psを発生するため、パワーウエイトレシオは2.8kg/psを実現している。
2019年のガイスベルク・ヒルクライムで一般公開され、今日では、ポルシェ・ミュージアムのコレクションの一部となり、その名の由来となった祖先と肩を並べている。