【新時代への挑戦状】日本撤退のホンダ・シビック・セダン アメリカで売れるか? 50年の歩みを回顧
公開 : 2020.11.19 06:50
新型ホンダ・シビック(11代目)が北米で発表。現地での歴史を振り返りながら、新しい時代への挑戦状となるかを検討します。発売は2021年夏?
なんと、eスポーツチャンネルで発表
といっても、これはアメリカのセダンの話だ。
一方で、日本でのシビック・セダンは2020年8月に生産が終了している。やはり、シビックは、ホンダの主戦場であるアメリカで未来への道を歩む。
その方向性について、今回のプロトタイプ登場の方法から見え隠れしてくる……。
ホンダの北米法人であるアメリカンホンダは、日本時間の2020年11月17日深夜、ゲームチェンネルであるTwichを使って新型ホンダシビック・プロトタイプを世界初公開した。
同チャンネルの日当たりビューワー数は1750万人を数える。
いわゆるeスポーツが近年、急激に事業規模を拡大しているとはいえ、そこを新車発表の場に選ぶとは、古くからのアメリカ自動車メディア関係者はかなり驚いた。
と同時に、アメリカ社会におけるシビックの立ち位置が大きく変わらぜるを得ないことを再確認した自動車業界関係者が多い。
筆者(桃田健史)もその1人である。
アメリカでは2020年11月に入り、カリフォルニア州ではレストランやスポーツジムは屋外のみ営業となるなど、新型コロナウイルス拡大の影響が再び大きくなっている。
そんな時期に登場した、次世代シビック。
今後の歩みについて、過去を振り返りながら考えてみよう。
ホンダのアメリカ進出を支えたクルマ
アメリカンホンダの本社機構がある、カリフォルニア州トーランス。ロサンゼルス国際空港(LAX)からクルマで15~20分ほどという利便性が良い地域だ。
トーランスには戦後、日系人の居住者が増えた地域だ。
企業としては、ホンダの他、現在はテキサス州プレイノへ移転してしまったトヨタ、またトーランスに隣接するガ―ディナには現在はテネシー州ナッシュビルに移転した日産がいた。
そんなアメリカンホンダ本社のメインエントランス付近には、同社の歴史がパネルとなって展示されている。当初は小さな母屋が二輪車販売の拠点だった。
大きな転機となったのが、1970年代の初代シビックである。
言わずもがな、アメリカの排ガス規制マスキー法の影響で、アメリカ自動車業界はエンジンの大幅なダウンサイジングを余儀なくされる中、初代シビックは手軽に買えるクリーンなクルマとして販売を一気に伸ばした。
その当時の状況を、筆者はリアルタイムでは知らないが、80年代中盤以降にアメリカンホンダ関係者と直接話すようになってから、70年代のシビック伝説についていろいろ聞いた。
初代シビックは、アメリカにとって、そしてホンダにとって、エポックメイキングな1台であった。