【実際に購入 オーナーのレポート】日産リーフZE1型、3年乗ってわかった最新バッテリーの驚き  容量低下の推測方法も

公開 : 2020.11.23 05:50  更新 : 2022.07.22 07:24

この記事の執筆者は、2011年から、24kWh、30kWhと乗り継ぎ、40kWhは3台目のリーフ。実際に購入し、乗ってこそわかるレポートです。

ZE1型リーフのバッテリー容量

text:Kaoru Kobayashi(小林薫)

3年前、バッテリー劣化の改善を期待し、最新のリーフZE1型40kWhに、発売と同時に乗り換え。

2011年から、24kWh、30kWhと乗り継ぎ、40kWhは3台目のリーフ。そして、この秋、最初の車検となるが、バッテリー性能は、期待以上に進化していた。

2011年秋に購入した初代リーフ24kWhは、すぐに劣化が進みました。

遠出の時、たびたび追加充電が必要となり、対応に苦慮することになりました。

また、2台目30kWhは、2年たった頃、なぜか急に劣化が始まり、期待外れとなりました。

しかし、ZE1型40kWhの最新バッテリーの性能は、これまでの体験からすると、信じられないような改善がありました!

ここ数年、9月に甲府の自宅から軽井沢・万座方面に出かけています。標高1800mの万座までは、約170kmありますが、今年もバッテリー性能の劣化は感じませんでした。

実際の走行時の消費電力から計算すると、容量低下はありましたが、とても少なかったです。運転の慣れもあるでしょうが、期待以上の状況に、驚いています。

バッテリー劣化の問題は、リーフユーザーや中古車検討者にとって最大の関心事です。発売時の試乗などでは、クルマの評論家でも当然わかりません。

温度管理システムのないEVは、どのような劣化性能なのか……。実際に何年か乗って、初めてその実態を知ることになります。

バッテリー容量を示す表示は、コンソール画面にあります。しかし、表示がリニアでないので、目安位にしかなりません。

そこで購入時と比較し、3年後のバッテリー容量がどの程度減ったかを推測する必要があります。測定器などを使わない方法で推測した結果、この3年間の容量低下は、5~6%ほどでした。

初代リーフでは、数年でバッテリー容量が3割近くも低下しました。もともと多くない容量だったので、遠出の時のみならず、日常でも不便を強いられました。

それに比べ、リーフZE1型40kWhのバッテリー性能は、素晴らしいものとなっています。

日産リーフに9年乗って思うこと……

3台目リーフの、ここまでの走行距離は24,649km。
この3年間の充電回数は、200V普通充電159回、100V普通充電14回、急速充電78回となっています。

充電方法も含め、かなり丁寧に乗ってもバッテリーの劣化は進みます。

走行距離の多いパワーユーザーや、真夏に高速道路を連続運転する可能性のある人は、バッテリーの温度管理システムを搭載したEVを選択する方が良さそうです。

そうすれば、劣化に対する心配は減ります。ただし、一般的なユーザーにとっては、本体価格や車両重量は増え、必ずしもコストパフォーマンスが良いとは言えません。

温度管理システムがないと、バッテリー劣化による容量低下は進みます。

しかし、最初のバッテリー容量が40kWh以上あり、その容量低下が少なければ、遠出に対しても問題は感じません。

また、日常使用が中心なら、40-50kWh位が現状では良いと考えらます。家庭での8時間の夜間充電で、ちょうど50%前後充電でき、使用勝手が良いです。

真夏は、急速充電や高速道路の連続走行で、バッテリー温度は上昇します。しかし、慣れてくるとある程度予測できるようになり、このような状況を避けて遠出するようになりました。

また、エアコンは、真冬もそれなりに電気を必要としますが、真夏の炎天下の方がより消費量は多く、電費は悪くなります。

月数回の遠出も、1日の走行距離は、多くて200kmなので問題はありません。季節の良い時期は、目的地が同じ位の標高なら、満充電で250km位走行できます。

残量20%までとすると、実用上200kmとなります。真夏や真冬などでは、それより50km減が目安です。

1日の走行距離が多いユーザーは、容量が62kWhのタイプの方が利便性は良さそうです。近年、充電スポットは増えており、遠出した時の電欠不安はほとんどありません。

また、残りの走行距離も、しばらく乗ると容易に予測できるようになりました。

リーフが新発売されてから10年経ち、バッテリーもずいぶん改良されてきました。やっと実用レベルになったと感じられ、今後のさらなる進化も期待できそうです!

日産リーフを3台乗り継ぐ 小林薫氏が寄稿 長期レポートの前後関係

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