【説明できる?】寒冷地仕様車って、何? なかでもハイエースは「プロ仕様」 装備は様々 価格もさまざま

公開 : 2020.11.22 22:25  更新 : 2021.10.13 12:18

「寒冷地仕様車」。聞いたことがあるけれど、意外と説明しづらいかもしれません。実は様々な装備があり、価格も同様に様々。トヨタ車を中心に調べました。

寒冷地仕様車 知ってるようで……

text:Kouichi Kobuna(小鮒康一)

11月7日の立冬を過ぎ、暦の上では冬となった現在、朝晩はすっかり冷え込むようになった。クルマが暖まるまでの時間が気になる季節となってきた。今年の冬は暖冬とはならないらしく、首都圏でも雪の可能性もありそうだ。

そんな寒い地域でクルマを購入する場合、気になるのが「寒冷地仕様」というメーカーオプションだ。

トヨタの誇るワークホース「ハイエース」。写真は標準仕様。
トヨタの誇るワークホース「ハイエース」。写真は標準仕様。    トヨタ

カタログでは大々的にアピールされていることが少ない装備だけに、詳細を知らないという人もいるのではないだろうか。

寒冷地仕様とは、その名の通り寒冷地=寒い地域でクルマを使用する上で、あると嬉しい装備を追加した仕様、ということになる。

といってもメーカーオプションであるから温暖な地域のユーザーが選択できないということはなく、逆に寒冷地のユーザーが選択しないということも可能だ(ただし北海道で新車販売されるトヨタ車は寒冷地仕様が標準装備となっており、車両価格もその分高くなっている)。

また、ホンダスバルマツダの車種(一部を除く)は寒冷地仕様の設定がないが、これは標準状態で寒冷地での使用を考慮した設計になっているからとのこと。

わざわざ選ぶ必要がないととるか、必要ないものが付いてくるととるかは人それぞれだろう。

寒冷地仕様 何が追加されるのか?

それでは、寒冷地仕様を選択するとどんな装備がプラスされるのだろうか?

実は一口に寒冷地仕様といっても、1万円以下のものから数万円のものまで、車種によってプラスされる装備は異なってくる。そのため、まずは代表的なものをご紹介しよう。

寒冷地仕様のオプション装備例。
寒冷地仕様のオプション装備例。    小鮒康一

多くの寒冷地仕様車に備わるものとして、大容量のバッテリーやオルタネーター(発電機)、濃度が挙げられた冷却水、強力になった暖房(ヒーター性能の向上やリアヒーターダクト、シートヒーターなど)などが挙げられる。

このほか、ワイパーブレードの凍結防止のためにフロントウインドウのワイパー停止位置に熱線が入るワイパーデアイサーや、着雪時にもワイパーが稼働できるように大型化されたワイパーモーター、吹雪のときに後続車からの視認性を向上させるリアフォグランプなども比較的メジャーな寒冷地仕様の装備だろう。

最近一般的となってきたハイブリッド車は、暖房の熱源としてエンジンの余熱を使うことが多いため、暖房を使うとエンジンの始動時間が長くなり、燃費が悪化するという弱点がある。

そのため、寒冷地仕様を選ぶと電熱器を用いたPTCヒーターを備え、エンジンの始動する時間を短くしたり、排気熱を利用して冷却水を温める排気熱回収機を備える車種も存在している。

また、古い車種ではラジエータの冷えすぎを防ぐためにカバーが備わるものや、エンジンオイルを低粘度とするといった違いも存在していた。

記事に関わった人々

  • 小鮒康一

    Koichi Kobuna

    1979年生まれ。幼少のころに再放送されていた「西部警察」によってクルマに目覚めるも、学生時代はクルマと無縁の生活を送る。免許取得後にその想いが再燃し、気づけば旧車からEV、軽自動車まで幅広い車種を所有することに。どちらかというとヘンテコなクルマを愛し、最近では格安車を拾ってきてはそれなりに仕上げることに歓びを見出した、尿酸値高い系男子。

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