【先代ノートと比較】新型日産ノート 変わったところ、変わらないところは 既存のユーザー約4割どこへ?
公開 : 2020.11.25 11:57 更新 : 2021.10.09 23:42
新型の日産ノートが発表。先代型と新型を比べ、変化とキープを明らかにします。また既存の4割にあたるガソリンエンジンのオーナーのゆくえも考えます。
「驚いた」新型日産ノートの内容とは
2020年11月24日、日産はコンパクトカーである「ノート」のフルモデルチェンジを実施し、12月23日より発売をおこなうと発表した。
驚いたのは、その内容だ。
内外装のデザインを変更するのは当然のことながら、パワートレイン、プラットフォーム、先進運転支援システム、グレード編成までを刷新。
コンセプトも、従来の「自在に楽しめるコンパクトカー」から、「常識を超える先進コンパクトカー」としている。
まさに内容一新といったものであったのだ。
エクステリアデザインは、すでに発表済みの新型クロスオーバーEV「アリア」と共通するデザインコンセプト「タイムレス・ジャパニーズ・フューチャリズム」を採用。
新型ノートを真横から見ると、前後を貫くボディサイドのキャラクターラインがアリアと共通性を感じさせるものとなっている。
室内に目をやれば、メーター類はまるでパソコンモニターのよう。最新の自動車業界のトレンドをしっかりと抑えていることがわかる。
パワートレインは、先代モデルの末期では販売の6割を占めるほどになったという、ハイブリッドシステム「eパワー」のみとなり、そのシステム自体はモーターからエンジンまで、すべてを改良し、第2世代に進化。
ユニットは40%の小型化、30%の軽量化を達成。走行能力を担うモーターは、先代の80kW(109ps)・25.9kg-mから、85kW(116ps)・28.6kg-mといったように、出力、トルク共にアップしている。
また、燃費性能も同様にJC08モード比で、先代の34.0km/Lから最高38.2km/Lと向上している。
走りの根幹となるプラットフォームも、次世代型の上級小型車向けを採用。日産初の1470Mpa級の超ハイテン材を使用した高強度・高剛性なボディには、新たなサスペンションとステアリングシステム、高遮音パッケージを組み合わせている。
日産、お得意の先進運転支援システムである「プロパイロット」は、ナビゲーションシステムと連携するナビリンク機能を追加。高速道路での制限速度の変化やカーブの大きさに合わせた減速機能などが追加されている。
新型、変わらなかったところは何か?
新型ノートは、デザイン、パワートレイン、プラットフォーム、先進運転支援システムまで、幅広い項目にわたって進化が見られた。
では、変わらなかったのは、どんなところだろうか。
まず、ボクシーで、やや大柄、広めの室内空間を持つコンパクトカーというノート伝統的のパッケージングは守られている。
デザインが変わっても、そのシルエットを見れば、誰もがノートだと気づくはずだ。
新世代プラットフォームとはいえ、ボディ寸法の変化は少ない。旧型の全長4100×全幅1695×全高1520mm、ホイールベース2600mmに対して、新型は全長4045×全幅1695×全高1505mm、ホイールベース2580mmだ。
また、タイヤサイズは15インチと16インチとなり、先代の14インチ/15インチよりも大きくなった。しかし、185/65R15を基本とするタイヤ直径はそのまま。
ボディ、タイヤが与える見た目のサイズ感は、ほとんど変化なしと言えるだろう。
価格帯は大きな変化はないが、若干のプラスといったところ。旧型の「eパワー」モデル比で言えばプラス10万円ほどだ。
また、燃費性能は確かに高まっているが、グレードによって、その数値は異なる。
新型で最も燃費のよい「F」グレードは、装備が少なく、他グレードより30kgほど軽量であるが、価格は微妙に高い。あまり数多く売れるグレードではないだろう。
そういう意味では通常グレードである「S」と「X」の燃費、JC08モード34.8km/L(WLTCモード28.4km/L)が、新型ノートの真の燃費性能と見るべき。