【控えめで頼れるワゴン】フォルクスワーゲン・ゴルフ・エステート(ヴァリアント)へ試乗

公開 : 2020.12.04 10:25

8代目へ一新したフォルクスワーゲン・ゴルフにステーションワゴンが登場。全長は先代より71mmも延ばされ、リアシートや荷室の広さを拡充。穏やかなハンドリングと良好な乗り心地で、頼れるワゴンとしての特徴は変わりません。

全長は先代より71mm延長

text:Greg Kable(グレッグ・ケーブル)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

  
日本でも人気の高い、フォルクスワーゲン・ゴルフ・エステート(ヴァリアント)。1993年の登場以来、使い勝手の良さからゴルフのラインナップで強い支持を集めている。

ハッチバックのゴルフにステーションワゴンが追加されたのは、フォルクスワーゲンが潜在的な需要に気づいた3代目から。代を変わるごとにボディは大きくなり、実用性を求めて荷室容量も増やされてきた。

フォルクスワーゲン・ゴルフ・エステート(ヴァリアント) 2.0 TDI(英国仕様)
フォルクスワーゲン・ゴルフ・エステート(ヴァリアント) 2.0 TDI(英国仕様)

最新となる8代目ゴルフ・ヴァリアントでも、その流れにブレはない。全長は先代より71mmも長く、4633mmになった。ホイールベースの延長が67mmを占めている。残りは、リアのオーバーハング部分。

おかげで、ゴルフ・ヴァリアントの長年の課題だった、リアシート側の足元空間に余裕が出ている。8代目では、先代より38mm広げられているという。

荷室も大きくなっている。トノカバー下の荷室容量で6L増やされ、611Lがある。リアシートを折りたたんだ状態では、最大で1642Lの容積を得ており、従来より22L大きいという。

ちなみに、英国でのライバルとなるフォード・フォーカス・エステートの場合は、608Lと1653Lの容量がある。ほぼ互角というところだ。

車内空間は広々としており、インテリアデザインは基本的に8代目ゴルフ・ハッチバックと変わらない。大きなタッチモニター式のインフォテインメント・システムがダッシュボードに備わり、物理的に押せるスイッチの数は一気に減少。現代的な眺めだ。

発進加速や柔軟性に優れるディーゼル

車内を覆うパネルは、比較的目線に入る範囲でも、硬質なプラスティックが多用されている印象。組み立て品質自体は良いが、ハッチバックのゴルフと同様、質感は先代より高いとはいえない。

新しいゴルフ・ヴァリアントに搭載されるエンジンは、英国では3気筒と4気筒のガソリンターボとディーゼルターボ。電圧48Vのマイルドハイブリッド・ガソリンも来る。これも基本的にはハッチバックのゴルフと同様。

フォルクスワーゲン・ゴルフ・エステート(ヴァリアント) 2.0 TDI(英国仕様)
フォルクスワーゲン・ゴルフ・エステート(ヴァリアント) 2.0 TDI(英国仕様)

これまで、英国でヴァリアントの心臓として多く選ばれてきたのは、ディーゼルターボだった。今回試乗したのも、4気筒2.0LのディーゼルターボとなるTDIだ。

7速デュアルクラッチATが標準装備で、前輪を駆動。ディーゼルではNOxの排出量を抑えるため、排気ガスへのアドブルー液の投与プロセスは2回行われ、触媒コンバーターも2か所に付いている。

エンジンをスタートさせてみる。冷間時の始動直後は、カラカラとディーゼルらしい音を放つ。最高出力は150psだが、最大トルクは36.5kg-mもあるから、発進加速は充分活発。走行中の柔軟性も高い。

カタログ値の燃費は25.0km/Lがうたわれており、満タンなら1100kmを無給油で走れる計算になる。頼もしい。CO2の排出量は、106g/kmに留まる。

ハンドリングは、とても温和な雰囲気。ステアリングホイールの操舵感は軽く、反応は正確。ボディロールは適度に抑え込まれており、フロントタイヤのグリップ力にも優れる。

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