【次世代EVセダン】フォルクスワーゲン新型ID.6 2023年末の登場を予告 サイズはパサート並みか
公開 : 2020.12.11 18:05 更新 : 2021.02.02 18:48
フォルクスワーゲンは次世代EVセダン「ID.6」を2023年にデビューさせると発表しました。航続距離は700kmを目標とし、後輪駆動モデルと高性能の四輪駆動モデルを設定。生産はドイツと中国で行われます。
フォルクスワーゲン5台目のEV
フォルクスワーゲンは、新型EV「ID.6」を2023年末に欧州へ導入すると発表した。コンセプトモデルのIDビジョンを市販化したもので、同社のEVとしては5台目となる。
フォルクスワーゲンの研究開発責任者であるフランク・ウェルシュによると、最大航続距離700kmの中型EVセダンになるという。
ID.6は社内で「エアロB」のコードネームで呼ばれており、発売されればBMW i4やメルセデス・ベンツEQEのライバルとなる。セダンとエステート(ワゴン)が用意され、ボディサイズは現行モデルのパサートより若干大きく、広い室内空間を持つとされる。
プラットフォームはEV専用のMEBを採用。ハッチバックのID.3、SUVのID.4、来年発表予定のクーペSUVである ID.5、2022年に予定されているID.Buzzの市販モデルに続くEVとなる。
ID.6という車名はまだ正式決定ではないが、フォルクスワーゲンにとって最大の市場である中国では「6」は幸福を意味する数字だ。
高性能モデルの「GTX」も設定
パワートレインは、後輪駆動モデルで1基、四輪駆動で2基の電気モーターを搭載する。四輪駆動はパフォーマンスモデルの「GTX」に設定され、ウェルシュによると、0-100km/h加速は約5.6秒になるという。後輪駆動モデルは約8.5秒。
バッテリーサイズは複数用意。まだ開発の初期段階ではあるが、ウェルシュは最大84kWhのバッテリーをMEBプラットフォームのフラットフロアに搭載することで、航続距離は約700kmに達すると述べている。
ウェルシュは、ID.6の航続距離を伸ばすための要素として、リチウムイオンバッテリーの効率向上、転がり抵抗の低減、高い空力性能を挙げている。
また、最大200kWの充電に対応する予定で、DC急速充電器を使用すれば10分で約230km分の補充が可能となる。
生産は2023年からドイツのエムデン工場で行われる予定だ。パサートとアルテオンの生産拠点となっているこの工場は、現在大規模な改装工事が行われており、2023年までに年間30万台のEV生産能力を確保するという。
また、フォルクスワーゲンの中国合弁パートナーであるSAIC(上海汽車)とFAW(第一汽車)を通じて、2024年から中国でも生産が始まる予定だ。
一方、フォルクスワーゲンはID.3の充電容量のアップグレードを計画している。来年7月に130kW、2021年12月には170kWの充電が可能になる予定だ。後者を利用すると、10分間で150km分を充電できる。