【価格も馬力も、桁違い!】ケーニグセグ・ジェメーラ 4座ハイパーGT 1700bhpのPHEV、日本上陸

公開 : 2020.12.13 11:57  更新 : 2021.10.11 09:38

ケーニグセグ初となる4シーターモデルが、日本へ。総合出力は1700bhpに達する世界最速のPHEVでした。価格は2億円超え。世界限定300台ですが、優しいスタイリングが特徴です。

新型ケーニグセグ 実車を撮影

text&photo:Kazuhide Ueno(上野和秀)

ケーニグセグ初の4シーター・メガGTであるジェメーラ(GEMERA)は、今年のジュネーブショーでワールドローンチされる予定だった。しかしコロナ禍の影響でショーが中止になり、ケーニグセグ社から発表されるに留まっていた。

そんな注目のジェメーラが日本で披露された。日本法人の組織改編発表(「ケーニグセグ・ジャパン」から「ケーニグセグ・ビンゴスポーツ」へ)の場において初披露された。

ケーニグセグ・ジェメーラ
ケーニグセグ・ジェメーラ    上野和秀

ジェメーラは、これまでのケーニグセグになかった4人の乗員がゆったり乗れて、4つの機内持ち込みサイズのケースが収納できるラゲッジスペースがアピールポイント。

あわせてダウンサイジングとハイブリッド化が行われ、世界最速のPHEVとして送り出された。

ちなみに「メガGT」とは、1MW(1000kW=1360ps)以上のパワーを有するモデルを意味する。

システム総合出力1700bhp

ジェメーラのパワーユニットは、タイニー・フレンドリー・ジャイアント(TFG)と名付けられたPHEVを前提とした新開発のエンジン。このTFGユニットは、ガソリンのほかエタノール燃料や、CO2ニュートラルなメタノールにも対応する。

パワーユニットは、これまでのケーニグセグと真逆の方向性といえる驚きの構成を採る。

ケーニグセグ・ジェメーラ
ケーニグセグ・ジェメーラ    上野和秀

ミドに搭載される内燃エンジンの排気量は1987ccで、それは驚きの3気筒。単体重量は70kgに過ぎない。

ここにツインターボを組み合わせ、エンジンだけで最高出力は600bhpを発揮する。

その内燃エンジンに加え、3基の電動モーターを組み合わせるのがジェメーラの特徴だ。

後輪左右それぞれに500bhpを発揮する電動モーターが組み込まれ、もう1基はクランクシャフト直結で400bhpを発揮し前輪を駆動。

システム総合出力は1700bhpに達する世界最速のPHEVとなる。動力性能は、0-100km/h加速が1.9秒、最高速度は400km/hに到達するという。

走行用バッテリーは800Vで容量は15kWh。EVモードで50kmの走行が可能。

ハイブリッドモードで950km走行でき、合計で1000kmを航続できると謳われている。なお燃料タンク容量は75Lとなる。

内装は? 4人が快適なキャビン

ジェメーラはカーボンファイバー製モノコックを基本に、アルミニウム製のサブフレームが前後に組み合わせたシャシーを備える。

カーボンファイバー製モノコックは高い剛性を備えるだけに、上方に開くドアは前席と後席用が一体化された大型なものが採用された。

ケーニグセグ・ジェメーラの後席内装。前席に身長190cm、後席に180cmと、大柄な大人でもゆったり乗れる広さがある。
ケーニグセグ・ジェメーラの後席内装。前席に身長190cm、後席に180cmと、大柄な大人でもゆったり乗れる広さがある。    上野和秀

Bピラーが存在しない大きな開口部を有し、前席のシートバックを倒さなくても後席へ楽に乗り降りできる。

4座のメガGTだけにパフォーマンスを追求するだけではなく、快適なキャビンに仕立て上げられている。前後のシートはカーボンファイバー製のシェルに低反発ウレタンで構成されたもので、前席は電動でスライド&チルトする。

後席にはチャイルドシートを固定できる「ISOFIX」も備わりファミリーで楽しむことも。またセンタートンネルにはドリンクホルダー(黒い円形の部分)が備わることからも実用性も考慮されており、世界最速のファミリーカーとして使える。

運転支援装備も抜かりなく、レベル2の先進運転支援システム、アダプティブ・クルーズ・コントロール、レーンアシスト、パークアシスト、アラウンド・ビューカメラを採用。

ドアミラーはカメラで後方を写す方式が採用され、ダッシュ端に配されたモニターに外の様子が表示される。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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