【なぜ高速道路の渋滞が起こるのか】2020年はコロナで予測不能 自動運転で「サグ部」渋滞が解消される?
公開 : 2020.12.28 11:05
年末年始は毎年、全国の高速道路では数十km単位の渋滞は発生してきました。渋滞の原因を探ります。また、将来的には自動運転の影響で渋滞減少の見方も。
コロナ禍 渋滞予測、不能に
コロナ禍で迎える、2020~2021年末年始。
国が進める経済対策Go Toキャンペーンで、Go Toトラベルが12月28日から1月11日まで一時停止されることが決まった。
こうしたことで、人の移動では、どのような行動変容が起こるのだろうか?
予想されるのは、
1、巣ごもり
2、近場の日帰りレジャー
3、公共交通機関を避けた移動
といった、これまでもコロナ禍で顕著になった行動が継続されるかもしれない。
毎年、帰省ラッシュでの慢性的な渋滞が発生するが、今シーズンはどうなるのか?
通常ならば、ネクスコ各社が無償提供している検索サービス「渋滞予測カレンダー」に、日時、道路、方向(上り/内回り・下り/外回り)を入力すれば、過去のデータから渋滞発生の時間帯や渋滞の長さを提示してくれる。
ところが……。
「新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、昨今の交通状況が大きく変動しており、渋滞予測情報の提供を休止しております」とアナウンスされている。
また、ネクスコ各社には、社員が中心の「渋滞予測士」という人たちがいるが、彼らからの情報発信も今シーズンは休止中である。
以前、筆者が中京地方のテレビ番組の生放送に出演した際、渋滞予測士の方からお盆渋滞予測について詳しく聞いたことがあったが、その後、ほぼ予測通りに渋滞が起こった。
渋滞はなぜ起こるのか?
渋滞の原因は、大きく2つある。
1つは、事故や工事による渋滞だ。
警察・消防・道路管理会社による事故処理作業や工事によって車線規制となり、これが「ボトルネック」となり渋滞が発生する。
ボトルネックとは、飲料などのボトルの首の部分のこと。流れが急に絞り込まれるため、流れの速度が減少すること指す用語として使われる。
ネクスコ東日本によると、2018年実績では渋滞の発生要因の17%が事故、工事が4%となる。
もう1つが、交通集中だ。渋滞発生要因の73%を占める。
道路の設計時点での想定より、通行するクルマの数が多くなることで「滞る(とどこおる)」のだ。そもそも「滞る」とは、流れが詰まり動かなくなってしまう、という意味だ。
例えば、水路に一気に水を流すと、水の流れは止まり、水路から水が溢れ出す(オーバーフロー)。
クルマの場合、道路からクルマが溢れ出すことはないのは当然だが、クルマの流れは最悪の場合、完全に止まってしまう。
交通渋滞だけではなく、能力以上のことをおこなって稼働不能になることを、一般的にオーバーフローと呼ぶ。
オーバーフローは、前述のボトルネックが原因となる場合が多い。
さらに交通集中の内訳を見ると、渋滞の本質がよくわかる。