【チャイルドシート】5万円以上の高級モデルに異変 売れなくなった背景、コロナと関連も
公開 : 2021.01.01 07:05 更新 : 2022.03.25 18:50
チャイルドシートの国内着用率は7割以下。「高くて買えない」というのも理由の1つですが、実際の価格はピンキリです。高級モデルが売れぬ背景を探ります。
チャイルドシートって、おいくら?
日本では2000年4月より6歳未満の子どもがクルマに乗るときにはチャイルドシートの着用が義務づけられるようになった。
それから何回かの安全基準の改訂があり、法制化から20年が過ぎたが、いまだに着用率は7割以下と欧米諸国に比べると著しく低い。
装着しない理由の1つに、「チャイルドシートが高くて買えない」という理由で買わない家庭も意外と多い。
新品のチャイルドシートはどれくらいの値段になるのだろうか?
小さな子どもがいる家庭なら相場はおわかりかと思うが、新生児から使える乳幼児兼用(新生児~18kg)はだいたい1万円~9万円台が実勢価格となる。
平均価格は店頭では3~6万円前後。通販だと1~3万円台が主流となる。
一番安いタイプは「シートベルト固定・回転機能なし・安全基準UN/ECE R44」になると思うが、このタイプなら最安値で8000円台から通販サイトで販売されている。
一方、現在アマゾンで販売されているもっとも高額なチャイルドシートは、エールベベブランド(カーメイト製)の「クルット・シェリール」で、こちらはISOFIX取付&回転機能付きの乳幼児兼用となる。
カーメイトの結城工場(栃木県)で生産されており、保証は業界最長の4年(エールベベの乳幼児兼用シートはすべて4年保証)がついて、価格は9万4200円。
アマゾンで販売されている国内外のチャイルドシートにおいて最も高い価格となっている。
高いチャイルドシートに理由はある?
では、このクルット・シェリール。
なぜこの価格になっているのか?
それは、他に例がない「電動(リモート)サンシェード」によるところが大きい。
電動サンシェードとはママと赤ちゃんとで乗っているときに便利な機能で、リモコンでサンシェードの開閉ができる。
ママが運転席、赤ちゃんが後部座席という状況では、急に日差しがクルマに入って来た時にシェードを閉じることが難しいが、リモコン操作が可能なこのタイプなら信号待ちなどでシェードを下げることができる。
逆に、シェードを閉じていて赤ちゃんの様子が気になった時や、周りの景色を見たいと言った時などもリモコンで簡単に開閉ができる。
このほか、足の部分を寒さや夏のエアコン風からガードする「ベビー・フットマフ」や眠った赤ちゃんの首をしっかり支える「スリープ・ピロー」などの快適装備も満載だ。
全般的に高価格帯のチャイルドシートには大きなサンシェードやフットマフなど赤ちゃんにとって快適な装備と、取り付けがしやすいISO FIX、高さ調整がレバー1つで簡単にできるヘッドレストや、軽い力で回せる回転機能、赤ちゃんを乗せる際に肩ベルトが跳ね上がるなど、パパママにとって使いやすい機能が充実している。
また、安全基準で言うと、2012年7月から日本(国交省)が採用しているUN/ECE R44よりも、最新の安全基準はUN/ECE R129(i-Size)の方が、価格帯は高くなる。