【使いまわしにも事情がある?】同じ車名だけど全く別のクルマになったモデルたち SUVクラウンは許せる?
公開 : 2021.01.02 17:45 更新 : 2021.10.13 12:18
中古車サイトなどで同じ名前でも全く別?のクルマに遭遇した経験はあるでしょう。最近話題のSUVのクラウンはあるのでしょうか。車名にスポットを当て考察します。
SUVのクラウンは許せる?
どこまで事実なのかはわからないが、トヨタのクラウンが販売を終了するというニュースが列島を駆け巡り衝撃を受けた人も多かったことだろう。
その報道によるとクラウンという名前は残るものの、従来のコンサバティブなセダン型から現在市場を席捲しているSUVタイプになるという。
確かにクラウンは保守的なモデルではあるが、その時代ごとの流行を上手く取り入れてきただけに多少の変化はやむなしだが、さすがにセダンからSUVへの変貌はもはやクラウンとは言えないと感じてしまう。
しかし、実は同じ車名を使いながらも全く違うタイプのクルマになってしまった、というケースは珍しいことではない。
最近では2018年に登場した三菱自動車のクロスオーバーSUV、エクリプス・クロスが知られるところだ。もともとエクリプスとは、1989年に北米市場でデビューしたクーペに付けられていた名前であり、当時の三菱自動車がクライスラーと共に立ち上げた「ダイアモンド・スター・モーターズ」で開発、生産されたモデルだった。
3代目モデルまでは日本へも輸入されており、左ハンドルのまま日本の法規に適合する小変更のみを受けて三菱ディーラーで販売されていたのである(3代目モデルはオープンモデルのスパイダーのみ)。
一方のエクリプス・クロスはご存知の通り5ドア・ハッチバックボディのクロスオーバーSUVで、若干クーペスタイルである点と、前輪駆動と四輪駆動が設定されている点程度しか共通点のない、全く別のクルマとなっている。
国が変わればセーフ? なトヨタ車たち
冒頭でクラウンの話をしたトヨタであるが、実は海外ではすでに車名のリサイクルを実行していた。
例えば2015年から中国の広汽トヨタから販売されているレビンは、元々カローラのスポーツクーペ版に付けられていた名前を使っている。
さすがにカローラの冠は付かないものの、ベースとなっているのがカローラでありエクステリアの変更もわずか。ちなみにレビンとは英語で稲妻や電光という意味を持ち、モーターが備わるハイブリッド仕様を用意していることからこの名前が使われているのかもしれない。
そして、トヨタがスズキと資本提携したことでお互いに車両をOEM供給し合うようになっているが(現在のところ海外市場専売)、スズキ・バレーノをベースとした車種がインド市場ではグランツァ、そしてアフリカ市場ではスターレットの名前で販売している。
スターレットと言えば、現在のヤリスの源流となるコンパクトカーであり、実用車という側面がある一方で、モータースポーツの入門車としても代々人気のあったモデルである。
そしてグランツァとは、そのスターレットの最終型(P90系)のスポーティグレードに冠されていたもの。正確にはNAエンジン車には「グランツァS」、ターボエンジンには「グランツァV」という名前が付けられていた。