【トヨタGRヤリスは高い?】競技用グレードの「RC」に注目 我慢ポイントもあるがコスパ最強か
公開 : 2021.01.07 05:45 更新 : 2021.10.13 12:05
「GRヤリスはいい」という話題をよく耳にしますが、「高い」と思ったことはないでしょうか。競技用グレード「RC」をご存知でしたか? コスパはかなりいいかも…….。
「スポーツカー」のGRヤリス
トヨタがラリーウェポンとして放った「スポーツカー」のGRヤリス。
クルマ好きが2020年デビューの気になるクルマランキングをつけるとしたら、確実に上位にランクインするクルマに違いない。
走りのレベルの高さに関してはAUTOCARに掲載されたインプレッション記事を参考にしてほしいが、ひとつだけお知らせしたいトピックがスポーツカーの聖地と呼ばれ、「グリーンヘル」という異名も持つドイツにある過酷なサーキット「ニュルブルクリンク」の北コースにおけるラップタイムだ。
現地でGRヤリスを購入したオーナーがフルノーマルでアタックしたところ7分56秒という好タイムをマークしてその様子をユーチューブにアップしている。
それは他のクルマを避けながらの一般走行だったようだが、他車を避ける必要がない貸し切り走行で計測されたBMW M2のベストタイムが7分58秒、トヨタGRスープラのタイムは7分52秒だったといえば、パワーでは劣るGRヤリスの走りのポテンシャルがどれだけ高いか理解できるだろう。
GRヤリスは高い?
さて、本題はここからである。いかに凄さに溢れたGRヤリスといえども、実際に購入するとなると多くの人は二の足を踏むのではないだろうか。
ネックとなるのは価格。一般向けに販売されているモデルの「RZ」は、安い仕様でも396万円。上位グレードの「RZハイ・パフォーマンス」ともなれば456万円にも達する。
性能を考えればコストパフォーマンスは抜群だ。同じGRのスポーツカーでもスープラに比べたらかなり接しやすい。とはいえ、価格を見てしまうとスズキ・スイフトスポーツのように「気軽に」とはいえないし、「ヤリスに400万円を出すのはどうなのよ」という声もわからなくはない。
そこで注目したいのが、競技に出場する人のために用意されている「RC」という仕様である。価格はなんとジャスト330万円。この金額ならかなり身近に感じられるように思えるのはきっと筆者だけではないだろう。
「RC」は「買い」か?
気になるのは、この「RC」が普通に乗れるグレードなのかどうかだ。
「競技ベース用モデル」と聞くと日常で使うのは難しいと思いがちである。しかし、結論からいえば問題なく日常使用可能。快適装備や先進安全装備の簡略化こそあるが、これだけ安い価格を掲げられてしまえば我慢できる。むしろ「買うべきグレード」と断言したい。
まずパワートレインだが、これは上位グレード「RZ」とまったくかわらない。272psのターボエンジンを積み、スポーツ4WDシステムを組み合わせる。
次いで気になるのは見た目だが、パッと見たところ「いかにも競技用」という「安っぽさ」はなく、86前期モデルの「RC」と違ってバンパーもブラックではなくボディ同色になっているし、ボディカラーも2種類のホワイトとブラック、そしてレッドから選択可能だ。
見た目でわかる違いといえば、タイヤが17インチで専用ホイールを履くことと、ブレーキローターの径が小さいことくらいだ。
ただ、非競技ユーザーが使うにあたって必ず装着したい走りに関するメーカーオプションは「18インチパッケージ」
タイヤ&ホイールが18インチになるだけでなく、ブレーキローターもひとまわり大きくなり、サスペンションも「RC」に標準設定となるラリー/ダートトライアル用のステアリングナックルではなく、「RZ」と同じタイプになる(最小回転半径もまさかの6.0mから5.3mへ小さくなる)。
しかも、内容を考えれば、4万6200円という価格は「間違いではないのか?」と二度見してしまうほど割安だ。