【ジープなぜ売れる】キャンプ追い風 コロナ禍も前年比増 FCAジャパン全体も躍進 2021年はさらに攻め
公開 : 2021.01.15 11:22
コロナ禍でも圧倒的なブランド価値で快進撃を続けるジープ。その他FCAブランドはどれも販売が堅調です。FCAジャパン幹部が3つの理由を明らかにしました。
ジープ、輸入車トップブランドの一角
多くの日本人が実感しているように、最近全国各地でジープを目にする機会が一気に増えた印象がある。
実際、ジープは日本で売れ続けている。
その理由について、FCAジャパンがオンラインで開催した新春記者会見で同社幹部らがデータを基に詳しく説明した。
それによると、いま(2021年1月)から11年前、2009年時点では年販台数は1010台に過ぎなかったが、2011年には3000台、2013年は約5000台、さらにFCAジャパン発足の2015年以降は6000~7000台から一気に9000台、さらに1万の大台を超え、2019年には1万3360台まで一気に拡大した。
コロナ禍となった2020年は、第1四半期で前年同月比33%増(輸入車市場全体は10%減)と好調な滑り出しだったが……。
最初の緊急事態宣言が発出された第2四半期は33%減(同38%減)へ。続く第3四半期では12%減(同15%減)と着実に回復基調に乗り、第4四半期には39%増(同4%)と、一気に売り上げが伸びた。
近年のキャンプブームもあり近隣オートキャンプ場へ日帰りキャンプする機会が増えたり、またキャンプの発展形として自宅の庭や駐車場でのホームキャンプを楽しむファミリーが増えたりといった社会現状が、ジープブランドとマッチしたような印象を受ける。
そうした抽象的なイメージ論だけではなく、ジープ飛躍の実態が明らかになった。
ラングラー1台=BMW X3/X5の合算数
まずは、ライバルとの販売台数比較だ。
輸入SUV部門で見ると、メルセデス・ベンツ(2万0266台)、フォルクスワーゲン(1万5210台)、ジープ(1万3588台)となり、ジープはBMW(1万1408台)、アウディ(9735台)、ボルボ(9100台)を凌ぐという結果となった。
さらに、輸入車メーカーとしてSUVの目玉商品である大型車(Dセグメント)のモデル別では、ジープ・ラングラーが日本市場初となる5000台越え(5127台)。
続くメルセデス・ベンツGLC(3940台)、ボルボXC60(2675台)、BMW X3(2325台)、そしてメルセデスGクラス(2110台)を抑えて堂々のトップとなった。
FCAジャパンによると「BMW X3とX5の合算数と、ラングラー1台が同レベル」という。
また、レネゲートの販売も、2019年の3580台から2020年は3881台へと増加。これを2020年1~11月期で見ると、輸入車BセグメントSUVでは、フォルクスワーゲンTクロスとBMW MINIクロスオーバーに次ぐ3位につけている。
レネゲートではプラグインハイブリッド車4xeを2020年10月に発表して以来、全国ジープショールームへの来場者が約2割増えたという。
日本での「クルマの電動化・義務化」の各種報道を受けて、電動車購入というマインドを持ったジープ未経験のユーザーが「せっかくだったら、このタイミングでジープを」という消費行動に出たのかもしれない。