【新型ローグ生産で】日産、アルミ部品のクローズドループ・リサイクルを適用
公開 : 2021.01.23 17:45
日産は、新型ローグにアルミニウム製部品のクローズドループ・リサイクルプロセスを適用したと発表しました
グローバルモデルとしては初
日産は、北米で販売を開始する新型ローグに日産のグローバルモデルとして初めてアルミニウム製部品のクローズドループ・リサイクル・プロセスを適用したと発表した。
このプロセスの採用により、原材料から1次合金を製造したパネル部品を採用した場合と比較し、CO2排出量の大幅な削減を実現するとともに、新規採掘資源に頼らない材料への代替並びに工場からの廃棄物削減を推進する。
新型ローグは、車両の軽量化により燃費性能や動力性能を向上させるため、フードやドアなどのパネル部品にアルミニウム板を採用する。
日産は同車を生産する日産自動車九州においては神戸製鋼所、UACJの2社と、北米日産スマーナ工場においてはアルコニック、ノベラスの2社と協業することで、新型ローグの製造時に発生したアルミニウムの端材スクラップを自動車用アルミ板にリサイクルするクローズドループ・リサイクルのプロセスを採用した。
効率的な資源活用
クローズドループ・リサイクル・プロセスの中核をなすのは、大型のエア搬送システム。
ボンネットやドアが型抜きされると、スクラップはこの搬送システムによって細断され、アルミニウムの材種ごとに区別された状態で回収される。この分離回収プロセスにより、不純物の混入を抑えた高品質のスクラップをサプライヤーに還元することが可能となる。
分離・再処理されたアルミスクラップは、従来材と同等の高品質を持つアルミ板に加工され、新型ローグのパネル部品を含む日産の生産用アルミとして再出荷される。
アルミニウム協会によると、廃アルミニウムをリサイクルすることで、原材料から同程度のアルミニウムを作るのに必要なエネルギーの90%以上を節約することができるとされている。
今回のクローズド・リサイクルでは、選別回収をすることで不純物混入を抑え、品質低下のない水平リサイクルを実現し、新規採掘資源(アルミニウム新塊)の使用量削減に貢献する。
日産は、ニッサン・グリーンプログラム2022において、リサイクル材の使用やバイオ材の開発、サプライヤーや自社でのリサイクル活動、車体軽量化への取り組みなどをおこなうことで、2022年に生産するクルマに使用する原料のうち30%を新規採掘資源に頼らない材料に代替することを目指す。
今後も資源を効率的かつ持続的に使う仕組みを創造し、再生可能な資源や再生材の採用などにより資源の多様化を進めていくという。