【SUBARUは消えない】スバル、欧州で苦戦も「未来は明るい」 課題はブランドイメージ?
公開 : 2021.01.26 18:05
欧州市場で販売が伸び悩むスバル。苦戦の理由と将来の展望について、同社英国部門のトップが語りました。
大きすぎたパンデミックの打撃
スバルの英国部門によると、英国と欧州における2020年の販売台数が「信じられない」ことになったため、同地域の事業について抜本的な見直しが行われているという。
新型コロナウイルスの流行の影響で、ほとんどの自動車ブランドが販売台数を大幅に減らした中、最も大きな打撃を受けたのはスバル(英国の独立輸入業者であるインターナショナル・モーターズが英欧で運営)で、前年比68%以上の減少を記録した。
2019年は3000台弱だったのに対し、2020年は951台しか販売されていない。8月は、69ある英国のディーラーの合計販売台数はわずか34台だった。
昨年夏に英国部門の責任者に就任したジョン・ハーティグは、「2020年はひどい年だった」と認めている。
「何と言えばいいのでしょうか?正直なところ、これ以上の状況はありません」
ハーティグは、2020年がスバルにとって最悪の年になった具体的な理由をいくつか挙げつつ、「数字が示すほど悪くはない」と述べている。
「スバルは2019年12月に非常に高い登録台数を記録しました。実際、スバルUKがこれまでに経験した中で最高の月でした。そのため、余裕のある状態で2020年に入ったのです」
ハーティグは、これは2020年1月に欧州連合のCO2削減規制が施行される直前、多額の罰金を回避するために一斉に新車登録したことによるものだと認めた。この時に登録された車両はすべて、年間を通じて割引価格で販売されたという。
最大の課題はディーラー網の再構築
スバルが新型コロナウイルスにより受けた影響は、大きく分けて2つの要因によるものだとハーティグは語る。その1つはスバルの顧客基盤だ。
「正直に言うと、当社のターゲットは高齢者です。彼らは外出することに対して非常に慎重になっていたため、それが当社の売上に影響を与えた理由の1つかもしれません」
もう1つは「ディーラー網を根底から再構築する」必要性にあるという。
「わたし達は、スバルUKの中で多くのことを変えてきましたが、ディーラー網の構造を全面的に変える必要があります。これまで欠けていたものが数多くあるのです。わたしはディーラーだけを非難しているのではなく、50%は組織としてわたし達にも責任があると思っています」
英国でスバルの存在感を高めるためには、マーケティングやブランド認知度向上のための投資が必要であることは認めつつ、それ以上にディーラーにブランドに関わってもらい、メッセージを伝えることが重要なのだという。
「適切なディーラーを必要としています。最高のマーケティングとブランド認知度を得ることはできても、ディーラーが同じ場所に立っていなければ意味がありません。そのため、手を取り合って取り組まなければなりません」
ハーティグは英国でのネットワーク拡大に向けて「積極的」な計画を立てており、今年だけでも15の拠点を新設したいと考えている。