【大進化のインテリア】ジャガーXF P300 Rダイナミックへ試乗 ハンドリング・サルーン
公開 : 2021.02.10 10:25
マイナーチェンジで、インテリアを刷新したジャガーXF。2.0Lエンジンに絞られたものの、優れたハンドリングと乗り心地は従来どおり。英国編集部が評価しました。
もくじ
ー存亡の危機にあるXFがマイナーチェンジ
ーラインナップを見直し、価格をダウン
ーインテリアの驚くほどの進化ぶり
ー直6には及ばない4気筒のインジニウム
ージャガーXF P300 Rダイナミック SE(英国仕様)のスペック
存亡の危機にあるXFがマイナーチェンジ
ジャガーのミドルクラス・サルーン、XF。2つの側面を備えていて、話す相手で評価が異なる点が面白い。
1つは、BMW MやAMGなどを除くこのクラスで、最高のドライビングマシンだという特長。見た目も非常にエレガントで、カリスマ性もある。他方は、エンジンの選択肢が少なく費用効果が得にくい、登場から時間の過ぎたサルーンという意見だ。
編集部のスタッフに話を聞くと、XFのシャシーバランスやハンドリング特性は、ドイツ・ブランドのモデルとは反対側にあるといえる。確かにドライビング体験は楽しめる。だが、存亡の危機にもある。
第2世代となるジャガーXFの販売台数は、2019年で1万5600台しかない。世界中を合わせて。一方のBMW 5シリーズは、同時期に欧州だけで8万9300台が売れている。
ジャガー・ランドローバーの最高経営責任者、ティエリー・ボロレが最近悩んでることは、モデルラインナップの再編成。XFとXEは、2025年までに姿を消す可能性がある。恐らく純EVとなる、新しいハッチバックへ道を譲るため。
だが、まだ今は2021年。2015年に2代目が登場して以来、改めてフェイスリフトが施されたという事実に、XFのファンとしては心が奪われる。
最大のニュースは、ほぼ全面が刷新されたインテリア。アップデートされたSUVのFペイスと部品類は共有し、急速にモダナイズされるライバルに追従する狙いがある。
ラインナップを見直し、価格をダウン
とはいえドイツ・ブランドの車内が完璧だとは思わない。アウディのように、すべてをタッチモニターやセンサーに頼るインターフェイスが、正解とはいえないだろう。
ジャガーで不利だった点は、洗練された最新テクノロジーの不足ではなかった。そもそもプレミアム・クラスの水準に届いていない、知覚品質にあった。新しいインテリアは現代的で落ち着く雰囲気を備えており、形勢を好転できるかもしれない。
もう1つのトピックはエンジンの見直しと、2.0L 4気筒ディーゼルターボに追加されたマイルド・ハイブリッド。D200と呼ばれるグレードに載るエンジンで、最高出力は179psから203psへと増強され、燃費も18.0km/Lから20.2km/Lへ伸びている。
6気筒ユニットは、2018年に選択肢から外れている。ほかに用意されるユニットは、2.0L 4気筒ガソリンターボのみ。P250では250ps、P300では300psを獲得しているが、これはフェイスリフト前と変わらない。
ジャガーは、バリエーションを半分へ見直すことで、価格の見直しにつながっていると説明する。実際、英国で売られるエントリーグレードのD200 Sは2410ポンド(33万円)安くなり、3万2585ポンド(456万円)からとなっている。
今回試乗したP300 Rダイナミック SEの価格も、4万2000ポンド(588万円)を切った。これは、200psを下回るBMW 520i Mスポーツや、メルセデス・ベンツ E200 AMGラインより英国では安い。