【日本でも受付開始】フォルクスワーゲン・ゴルフ(1) 長期テスト 最新も万能選手と呼べる
公開 : 2021.02.20 09:45 更新 : 2021.07.12 18:55
純EVへの本格的なシフトが進む現在、8代目VWゴルフはバランスに優れたファミリー・ハッチバックといえるのか。長期テストを通じて能力を確かめます。
初回 電動化が進む中での8代目ゴルフ
電動化へのシフトが加速している。自動車を取り囲む世界は急速に変化している。新しいフィアット500は純EVになった。マスタングにもミニにも、純EV版が用意されている。
ルノー5は、駆動用バッテリーとモーターを積んで復活するらしい。ベントレーもハマーも、純EVブランドとして進化を始めている。混沌とした時代が始まった。
だが、一部のモデルは革新的な変化ではなく、着実な進化を選ぶものもある。その1台となるのが、8代目となったフォルクスワーゲン・ゴルフ。
48年間に渡る歴史を通じて、フォルクスワーゲンの核であり続けてきた。初代と比較すれば最新版は確実に変化しているが、大胆な飛躍というより、一歩一歩の改良が重ねられてきた結果だ。
ゴルフの成功を支えてきたのが、要素の完璧といえる組み合わせ。真似のできないバランスに仕上がっている。
ゴルフより速いハッチバックもあるし、運転を楽しめるモデルもある。車内空間や快適性で勝るものもある。プレミアム・ブランドからもハッチバックが選べるようになったし、安価なモデルもある。
しかし、フォルクスワーゲン・ゴルフは常に優れたパッケージで、万能選手といえる完成度を得てきた。繊細なブレンドで。
一方で時代は変化した。フォルクスワーゲンもそれは理解している。ゴルフを8代目に進化させつつ、革命的といえるID.3の投入で、未来への一歩を踏み出している。
ゴルフらしい見た目に刷新の車内
真新しい純EVのハッチバックは、ゴルフの後継モデルという位置づけだ。だが、最新のゴルフも存在している。今こそ、ゴルフを長期テスト車として検討する完璧なタイミングに思える。
フォルクスワーゲンは、ゴルフの見事なバランスを保てているのか。過ぎた進化に及んでいるのか、あるいは足りていないのか。
8代目となっても、見た目はゴルフらしい。デザインの変化には、良い意見を聞くこともあるし、そうでないこともある。確かにフロントマスクは、少しダルそうに見える。でも、安心してゴルフだと思える。
インテリアには大きな変化が与えられた。現代の流れに沿うように、実際に押せるボタンやスイッチ類はほとんど姿を消している。操作系は、タッチモニターとタッチセンサーに集約。時代の変化に逆らうことはできなかったのだろう。
今回、英国編集部ではゴルフの1.5 eTSIを選んだ。1.5Lのガソリンターボで、最高出力150ps。電圧48Vで稼働するスターター・ジェネレーター(ISG)が組み合わされた、マイルド・ハイブリッド(HV)となる。
将来に向けた着実な進化という点では、これまでのゴルフらしい。マイルドHVの場合、トランスミッションは7速デュアルクラッチATのみ。燃費は17.9km/Lを叶えている。
トリムグレードは、質素なライフをチョイスした。シンプルなゴルフを味わうために。