【電動スーチャー+ISG】ジャガーFペイス P400 Rダイナミックへ試乗 小変更 ドライバーズSUV
公開 : 2021.02.21 08:25
直6エンジンを搭載したFペイス。燃費でやや劣るものの、動的性能と豪華さ、洗練度の高さでライバルに並ぶ魅力があると英国編集部は評価します。
もくじ
ー電動スーパーチャージャー+ISG
ー3.0L直6はパワフルながら、燃費は低調
ー快適性を犠牲にしないスポーティーさ
ー価値を高めるラグジュアリーなインテリア
ージャガーFペイス P400 RダイナミックSE(欧州仕様)のスペック
電動スーパーチャージャー+ISG
ジャガーのSUV、Fペイスのフェイスリフトに合わせて、新エンジンが追加になった。ジャガー・ランドローバー(JLR)が開発した、3.0Lの直列6気筒ガソリンエンジン、インジニウム・ユニットだ。
マイルド・ハイブリッド化され電動スーパーチャージャーも採用し、従来のV6ガソリンユニットを置き換えることになる。同時にパワフルで加速の鋭いプラグイン・ハイブリッド(PHEV)のP400eも、追加投入される。
今回のフェイスリフトでは、Fペイス SVRに搭載されるV8エンジンもアップデートを受け、D300に搭載される直6ディーゼルターボや、4気筒ユニットにも手直しが入っている。
しかし、今回ご紹介するP400はイチオシのFペイスのようだ。ジャガーが設定したマイナーチェンジ版の初試乗会で、このP400が用意されていたのだから。ただし、新しいSVRとPHEV版は2021年後半の登場予定だから、準備できなかったわけだが。
ラグジュアリーさを高めることも、Fペイスのマイナーチェンジで重視された要素だったらしい。広い車内いっぱいに豪華な素材が充てがわれ、メーターパネルやインフォテインメント・システムには大きなモニターが採用されている。
このP400は電圧48Vのマイルド・ハイブリッドだが、一般的なクルマとは少々仕組みが異なる。エンジンのスターター・ジェネレーター(ISG)へ電気が送られるのは、エンジンを始動するときのみだという。
3.0L直6はパワフルながら、燃費は低調
それでも、圧倒的というほどではないにしろ、直6エンジンのパフォーマンスは高い。豊かさを感じさせるトルクと上質なフィーリングを備え、Fペイスに好印象なドライブ体験を与えている。乗り心地や操縦性にも優れる。
一方で丁寧に運転しても、10.6km/Lを超える平均燃費は得られないようではある。一般的な複合条件で試乗した今回の燃費は、平均で9.2km/Lに留まった。
3.0Lの直列6気筒は、車重2tのファミリーSUVへ不足ない馬力とトルクを与えてくれる。しかも、驚くほど柔軟性にも優れる。サウンドとしては、従来のV6エンジンほど聴きごたえがあわけではないが、滑らかに、勤勉に仕事をしてくれる。
ドライブモードをダイナミックやスポーツにしていて、電動スーパーチャージャーが活発な状態では、アクセルペダルに対する反応は不自然なほど過敏に感じられた。ペダルをわずかに踏み込んだだけで、Fペイスは勢いよく速度を乗せていく。
それ以外のドライブモードを選んでいれば、アクセルペダルの反応はドライバーの感覚通り。8速ATは全般的に滑らかだが、キックダウンを躊躇するタイミングがあるようだ。
アップデートに合わせて、サスペンションにも再調整を受けている。P400はアダプティブダンパーが標準装備で、大きな22インチのアルミホイールも純正。乗り心地やハンドリングは、動的性能に優れるという印象を与えるのに不足ない。