【エステートの代名詞】メルセデス・ベンツEクラス E 400dステーションワゴンへ試乗 小変更
公開 : 2021.02.23 08:25
マイナーチェンジを受けたEクラス。快適なステーションワゴンとして、これまでのベストが一層良くなったと英国編集部は評価します。
もくじ
ーMBUXインフォテインメント・システムを採用
ー荷室容量も馬力もライバルに勝る
ーステーションワゴンの代名詞
ーメルセデス・ベンツEクラス E 400dステーションワゴン AMGライン・ナイトエディション・プレミアムプラス(欧州仕様)のスペック
MBUXインフォテインメント・システムを採用
ステーションワゴンの代名詞の1つ、メルセデス・ベンツEクラス。欧州の自動車ジャーナリストへ、沢山の荷物を運ぶのにどのワゴンを買うべきかと尋ねれば、大抵はEクラスが良いと答えるだろう。
現行のEクラスは昨年フェイスリフトを受けているが、その特徴が変わることはいようだ。大きな荷室と優れた快適性を両立させたいなら、Eクラスのステーションワゴンを選べば間違いはない。予算があれば。
フェイスリフトでの変更点を見ていこう。スタイリングの変化は小さい。近年のメルセデス・ベンツ・モデルとの相関性を高めているが、わかりにくいレベル。特にステーションワゴンでは。
ヘッドライトのデザインは若干Aクラスに似たように思える。目力が増したものの、違いは大きくない。
一方、ボディの内側には多くの手が加えられている。アクティブ・スピードリミット・アシストをはじめとする運転支援システムや、新しい電圧48Vのマイルド・ハイブリッドの採用など、幅広い技術が一新されている。
インテリアの進化はわかりやすい。Eクラスとして初めて、MBUXと呼ばれる最新のインフォテインメント・システムが採用された。ダッシュボードに広がる大きなモニターが、新鮮に感じられる。
メーターパネルもモニター式で、10.25インチのデュアルモニターがEクラスで標準装備となった。試乗車のようなAMGラインでは、12.3インチへサイズアップする。ちなみにトリムグレードは、ナイトエディション・プレミアムプラスだった。
荷室容量も馬力もライバルに勝る
ステアリングホイールも新しい。ツインスポーク・スタイルで、タッチセンサーを内蔵している。
センターモニターはタッチ式ながら、センターコンソールにはタッチパッドやボタンが残され、走行中でも操作しやすい。BMWほど直感的ではないものの、タッチモニターに集約したシステムよりはるかに優れる。
ステアリングホイールのタッチセンサーを介しても、インフォテインメント・システムは操作できる。ただしセンサーの数が多く、多機能ながら少々煩雑にも感じた。
車内空間全体としてはデザインのまとまりが良く、雰囲気はメルセデス・ベンツらしい。アウディのインテリアほど先進的な印象は受けないものの、居心地良く過ごせる。
ステーションワゴンとして、荷室は広大なまま。サイドウインドウ下で640L、リアシートを畳めば1820Lの広さが得られる。ライバルを余裕で凌駕する容量だ。
リアシートの折り畳みはテールゲート側で操作でき、荷室の奥へ手を伸ばす必要もない。さらに畳まれる際、フロントシートが少し前方へスライドし、背もたれが引っかからないような細工も仕込んである。嬉しい気配りだと思う。
試乗車は400dで、330psと71.2kg-mを発揮する6気筒ディーゼルターボを積む。ライバルに勝るスペックで、0-100km/h加速を5.1秒でこなす。アウディA6アバントの一番パワフルなディーゼルターボより、0.5秒も速い。平均燃費は約13.8km/Lだった。