【SUV版は出ず】日産ノート初期受注半数が60代以上 若い世代へどうアピール?
公開 : 2021.02.20 05:45
初期受注の半数が60代以上という日産ノート。若い世代へどうアピールするのかマーケティング担当者に聞きました。
好調な出足、その実態は?
新型ノートの販売が好調だ。
日産によると、2020年11月24日から2021年1月31日までの初期受注は、正月明けからグンっと伸びて2万044台に達した。
2021年2月1日に出した初期受注2万台突破というニュースリリースが大きく報道されたこともあり、今後も新車効果が続くと見込まれる。
初期受注分の内訳を見ると、グレードでは最上級のXが84.2%、Sが15.6%、Fが0.2%となった。
ボディカラーでは、最も多いのがピュアホワイトパールで27%、次いでオーロラフレアブルーパールが13%、ダークメタルグレーが11%、ビビッドブル/スーパーブラックのツートンカラーが10%、ブリリアントシルバーが9%と続く。
オプションでは、アラウンドビューモニターが70%、LEDヘッドライプが69%、さらにはニッサン・コネクトナビ58%と、ナビリンク機能付きプロパイロットが41%となった。
乗り換え車では歴代ノートが最も多く、なかでも先代ノートeパワー(2016年11月発売)からが多い。つまり、1度目の車検前後のタイミングとなる。
日産は「eパワーの良さを十分に分かっているユーザー」という認識で、eパワー・ファンによる第2世代eパワーへの期待の高さが見てとれる。
一方で、気になったのは購入者の年齢構成だ……。
高齢化が明確に
初期受注のうち、約半数が年齢60代以上(3割が60代、2割が70代)となった一方で、40代以下は3割程度にとどまった。
一般的なイメージとして、コンパクトカーは、いわゆるエントリークラスの車格で価格も抑えめなので、購入年齢も低いのではないかと思う人が多いかもしれない。
だが、初期受注分のみでの結果とはいえ、新型ノートではそうした考え方は当てはまらない。
昭和の時代の「いつかはクラウン」といったメーカー側のマーケティング戦略を当時の日産に当てはめれば、サニーに始まり、ブルーバード、スカイライン/ローレル、そしてセドリック/グロリアへと、より大きなクルマへ買い替えることが庶民のステータスだった。その頃が、遠い昔のように感じる。
こうした過去から現在への消費者意識の変化という視点で、あらためて新型ノートの初期受注分の内容を見ると、最新コンパクトカーをフル装備で購入する人が多いという結果に納得がいく。
とはいえ、コンパクトカーのユーザー層の高齢化をメーカーとして黙って見ているわけにはいかない。
日本の免許所有者の年齢分布は今後、高齢女性ドライバーが増える傾向が明らかであることもあり、高齢ドライバー層の絶対数は伸びる。そのうえで、免許返納を考える人も増えることになる。
そうしたなか、日産はどう対処するのか?