【ハンドリングを磨いた4代目】シボレー・コルベットC4 英国版クラシック・ガイド 後編

公開 : 2021.03.14 17:45

アメリカン・スポーツの代表選手といえば、コルベット。大きな節目を果たした4代目は、狙い目のお買い得モデルだと英国編集部は評価します。

優れた信頼性 電気系統には注意

text:Malcom McKay(マルコム・マッケイ)
photo:James Mann(ジェームズ・マン)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

  
初期のシボレーコルベットC4でも充分に動的性能は活発。だが後期型の方が威勢は良い。また、アルミニウム製ブロックのZR-1やツインターボ化されたキャラウェイ仕様ほど、信頼性に悩まされることもない。

欧州仕様のZ51では特にサスペンションが硬く、路面状態によっては不安定になりがち。サスペンションは、年を追うごとに柔らかくなっていった。アルミニウムやコンポジット素材の用いられた部品の耐久性も高められている。

シボレー・コルベットC4(1983〜1996年)
シボレー・コルベットC4(1983〜1996年)

ZR-1の場合、定期的なメンテナンスを怠らなければ信頼性は高く、長く楽しめる。プレナムチャンバーの劣化でバキューム圧が低下し、回転が乱れる場合がある。

コルベットだから、L98にデュアル・エグゾーストが組まれていたり、アップグレードも珍しくない。1992年以前のC4は、触媒コンバーターを外すことで20psを上乗せできた。熱負荷も低減できる。

C4コルベットでも、トランスミッションのほとんどはAT。フルードがきれいな赤色かどうか確かめたい。黒く濁っていたり焼けた匂いがする場合、リビルドをオススメする。

4+3という、2速から4速にコンピューター制御のオーバードライブが付いた4速MTは堅牢。シフトノブのスイッチでも、オーバードライブが選択できた。ZF社製の6速MTも壊れにくい。デュアルマス・フライホイールのガタツキは注意ポイント。

この時期のクルマでは、電気系統の問題が多いことは通例。ダイアグノーシスは、1995年まではOBD I、それ以降はOBD IIに対応する。北米から取り寄せる場合、CARFAXと呼ばれる車両履歴レポートの入手を忘れずに。

不具合を起こしやすいポイント

電気系統

1990年以前のLCDを用いたデジタル・メーターパネルは故障しやすいが、修理は可能。リトラクタブル・ヘッドライトのモーターやパワーウインドウ、パワーシートなど、すべての動作を確認する。

エンジン

初期のL98型エンジンでは、前後のクランクシールからオイル漏れしやすい。液漏れやオイル漏れがないか、各箇所を確かめておきたい。不具合が起きる場合、電気系統が原因ということも多い。

シボレー・コルベットC4(1983〜1996年)
シボレー・コルベットC4(1983〜1996年)

LT1ユニットの場合、吸気マニフォールド側から液漏れが生じ、1994年以前に採用されていたディストリビューターを湿らせると電気系統に不具合を招く。

ラジエターは液漏れや、落ち葉などが邪魔してないか、電動ファンが動いているかも確かめる。オーバーヒートすると、ヘッドガスケットの破損を招くことも。

ブレーキ

後期モデルほど性能が向上するが、定期的に走らせないとキャリパーの固着は起きる。AT車のハンドブレーキは故障しやすい。

ステアリングとサスペンション

冷間時にパワーステアリングが重い場合、故障の可能性がある。ユニバーサル・ジョイントやホイールベアリングからの異音がないか確かめる。LSDは標準装備。タイヤの状態も一緒に確かめたい。

インテリア

雨漏りすると、車両内側の見えない部分にダメージを与えがち。亜鉛メッキされたフロアが錆びる場合も。

1990年以前では、後期のC4よりダッシュボードが痛みやすい。サウンドシステムが故障すると、思いもよらない修理費につながることがある。

ボディ

グラスファイバー製のボディにヒビや変形がないか確かめる。オプションだった透明のアクリルルーフは痛みやすい。交換には英国で1500ポンド(21万円)ほどかかる。

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