【比べる】新型ヴェゼルのデザイン 「CX‐ハリアー」はナンセンス?

公開 : 2021.03.07 05:45  更新 : 2021.10.13 12:14

「CX‐ハリアー」と揶揄される新型ヴェゼル。あらためて3モデルを比較します。新型にも個性が垣間見えます。

フロントはCX-5と似てる?

text:Kouichi Kobuna(小鮒康一)
editor:Taro Ueno(上野太朗)

先日、4月に新型が登場となる2代目ヴェゼルがワールドプレミアされた。

そのスタイルが明らかになったとたん、SNSを中心に「ハリアーに似ている」、「CX-5に似ている」という声が挙がり、一時期は「CX-ハリアー」というハッシュタグが登場するほど。

ホンダ・ヴェゼル(新型)
ホンダヴェゼル(新型)    ホンダ

しかし、実際のところそこまでこの3車種は似ているのだろうか?

あらためてエクステリアをチェックしてみたい。

まずはフロントマスク。ヴェゼルはSUVの力強さとクリーンさ、そして迫力に満ちた印象を加えるため、顔の中心でもあるグリルをボディ同色とするチャレンジングな手法を取り入れている。

たしかに、グリルの大きさはCX-5に近い形状となっており、薄型のライトの印象も似ている印象もあるが、ヴェゼルはライト上部のデイライト部分からグリルの上部に渡る横一文字のラインが通っているのに対し、CX-5はライト下部に食い込んだグリルのメッキ部分がそのままグリルの最下端を通るラインとなっており、印象はまったく異なるものとなっているのだ。

また、オプションで一般的な車種のようなグリルが用意されるものの、ヴェゼル本来のグリルはボディ同色とすることで、存在感を薄くしており、威風堂々のフロントグリルを持つCX-5とはそもそものアプローチが異なっていると判断できるだろう。

リアはハリアーに似ている?

フロントマスクはまったく異なるものの、リアがハリアーによく似ているという声が聞かれた新型ヴェゼル。

たしかに左右のテールを繋ぐテールの造形やその中心に備わるメーカーエンブレムなど、配置は近しいものがある。

ホンダ・ヴェゼル
ホンダ・ヴェゼル    ホンダ

しかし、そもそもこのデザインは最近のトレンドであり、SUVではポルシェカイエンやマカンがすでに先行して取り入れているもの。それだけにハリアーのパクり、というのはやや尚早というものだ。

また、デザインテイストを見ても、ヴェゼルはテール両端が上に跳ね上がる躍動的なフォルムをしているのに対し、ハリアーは真逆に下側に下がるデザインとなっており、こちらは高級車らしいドッシリとした印象を受ける。

そしてバンパー下部にはメッキの控えめな装飾が備わるにとどまるハリアーは、落ち着いた高級感を醸し出しているが、ヴェゼルはあえてシルバーのアンダーガード風の加飾をプラスすることで、クーペフォルムを持ちながらもSUVとしての躍動感やポップさを演出しているように思える。

両者のキャラクターの違いを物語っているといえるのではないだろうか?

そもそもヴェゼルはフィット系のプラットフォームを使用したコンパクトクロスオーバーSUVであり、ラグジュアリーなテイストがウリのハリアーと同じ土俵で比較すること自体がナンセンスということかもしれない。

記事に関わった人々

  • 小鮒康一

    Koichi Kobuna

    1979年生まれ。幼少のころに再放送されていた「西部警察」によってクルマに目覚めるも、学生時代はクルマと無縁の生活を送る。免許取得後にその想いが再燃し、気づけば旧車からEV、軽自動車まで幅広い車種を所有することに。どちらかというとヘンテコなクルマを愛し、最近では格安車を拾ってきてはそれなりに仕上げることに歓びを見出した、尿酸値高い系男子。

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