【スバルの真価】フォレスターとの旅で感じた「リアルワールド開発思想」とは?
公開 : 2021.03.17 05:45
スバル・フォレスターで雪国を走行。スバルが目指すリアルワールドでの開発思想が強く感じ取れました。
フォレスターとの旅で感じた「信頼」
「なるほど、実にフォレスターらしい」
久しぶりにフォレスターでの雪国走行を含めて、週末をはさんで500kmほど一緒に過ごした。
走りながらいろいろな思いが巡った……。
早いもので、もうすぐ3年になる。
米ニューヨークで、現行フォレスターのワールドプレミアに立ち会った。初対面の時、最初に感じたのは「随分と大きく、立派になった」だった。
開発総責任者である、スバル商品企画本部プロジェクトゼネラルマネージャー(PGM)の只木克郎氏は「トラスト・イン・フォレスター(フォレスターに対する信頼)」という言葉を強調した。
フォレスターは、スバルにとって世界市場における中核モデルであり、日本を含む世界的なSUVシフトの中でさらなる進化を、ユーザーも、ディーラーも強く求めている。
「どこにでも行ける、どんな場所でも使える」という、とてもわかりやすい商品コンセプトを持つモデルである。
今回の500kmを超える走行では、都心や首都圏の周辺都市の一般道路、首都高速・上信越自動車道・関越自動車道、そして群馬県、長野県、新潟県のワインディング路や雪道など、さまざまな走行シーンを体感しながら、フォレスターの本質をじっくりと味わった。
「シンメトリカルAWD」の巧妙さ
あらためて、フォレスターの強みとして感じたのは、シンメトリカルAWDだ。
シンメトリカルとは、スバル特有の水平対向型エンジンによる、エンジン部の左右対称と低重心を指す言葉である。
そのメリットは、スタビリティ(安定性)、アジリティ(俊敏性)、そしてトラクション(駆動力)の3要素。こうしたメリットは、誰が乗ってもすぐわかるのが、フォレスターの強みだ。
インプレッサ、XV、レヴォーグなども当然、同じくシンメトリカルAWDなのだが、端的に車高が高く、ドライバーの着座位置と視線の位置も高いフォレスターでは、シンメトリカルAWDのメリットがドライバーに与える良い影響が多い。
とくに、現行フォレスターが採用している、スバル・グローバル・プラットフォーム(SGP)の強靭かつ柔軟な骨格と、その効果を最大限に活かしたサスペンションセッティングによって、先代と比べてロール量が圧倒的に少ないのだが、乗り心地はかっしり、かつゆったりしている。
また、搭載されているアイサイトは、新型レヴォーグ採用の次世代アイサイトではないが、フォレスターにゆったりした気持ちで乗る長距離ドライブでの相性が良い。
では、雪道でのフォレスターはどんな活躍を見せたのか?