【RAV4サイズのSUV】トヨタ 新型EVコンセプト、4月発表予定 上海モーターショー

公開 : 2021.03.15 21:50  更新 : 2021.03.16 17:56

トヨタは4月に新型電動SUVを公開予定です。スバルと共同開発した「e-TNGA」を採用した初のEVです。

ハイブリッドの経験を生かしたEV

text:James Attwood(ジェームズ・アトウッド)
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)

トヨタは、来月開催される上海モーターショーで新型のコンセプトカーを公開すると発表した。まもなく登場する電動SUVを予告するもので、今後急速に拡大するであろうEV(電気自動車)ラインナップの先駆けとなるものだ。

このモデルは、現在のRAV4と同じようなサイズになるが、専用のアーキテクチャーを採用したBEV(バッテリー式EV)として、新たな車名が付けられる予定だ。トヨタによると、欧州市場向けに開発され、日本のゼロ・エミッション専用工場で製造される予定だという。

新型EVのデザインスケッチ
新型EVのデザインスケッチ    トヨタ

このSUVは、トヨタがスバルと共同開発した新プラットフォーム「e-TNGA」を採用する予定のBEV6車種の最初のモデルとなる。このプラットフォームは、全長やホイールベースが異なる車両にも対応できるように設計されている。また、両車軸にモーターを搭載することで、前輪駆動、後輪駆動、四輪駆動も実現可能で、幅広いバッテリー容量に対応している。

トヨタはまた、ハイブリッド車から得られた知見をもとに、航続距離とバッテリー寿命の両方を向上させることができるとしている。

SUV、セダン、ミニバンのEV計画中

トヨタの欧州法人で商品開発を統括するアンドレア・カルッチは、この新型車について「DNAとデザインにおいて非常に欧州的なものになる」と述べた。また、トヨタ初のBEVにRAV4サイズのSUVが選ばれた理由について、「このクルマはグローバルモデルになるので、すべての地域のニーズを一緒に解決するためのベストバランス」と説明。さらに、コンパクトなモデルの導入も示唆した。

トヨタはこれまでに、e-TNGAプラットフォームで計画している他のモデルとして、スズキと共同開発しているコンパクトSUV、クロスオーバー、大型SUV、セダン、MPV(ミニバン)を挙げてきた。また、固体電池の研究にも投資しており、この革新的な技術を用いた「量産型」BEVを「2020年代前半」に発売する計画であると述べている。

トヨタが欧州で販売するプロエース・シティは、シトロエン・ベルランゴなどとプラットフォームを共有している。
トヨタが欧州で販売するプロエース・シティは、シトロエンベルランゴなどとプラットフォームを共有している。    トヨタ

新型の電動SUVのほかに、欧州で展開している商用バンのプロエースとプロエース・シティのBEV仕様も2021年に発売する予定だ。e-TNGAベースのモデルの登場により、ラインナップは一気に充実することになるが、トヨタは引き続き、ハイブリッド車、プラグイン・ハイブリッド車、水素燃料電池車など、さまざまな電動化の選択肢を提供していく。2025年までに年間550万台の電動モデルの販売を目指している。

欧州では、2025年までに60車種以上の電動モデルの新規投入または改良を計画している。その時点でハイブリッド車が販売台数の70%以上を、PHEV、BEV、FCEVがそれぞれ10%強を占める見通しだ。

欧州では、新型EVと同サイズのRAV4にハイブリッドとプラグイン・ハイブリッドを設定し、他にもヤリスクロス、C-HR、ハイランダー、ランドクルーザーなどを展開している。

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