【どう変えてくる?】新世代トヨタGR 86/スバルBRZの「走り味」 先代の個性踏襲か 

公開 : 2021.04.06 11:45  更新 : 2021.10.27 21:45

トヨタGR 86とスバルBRZの2台の走り味の違いを、先代モデルや発表されたリリースなどから予想しました。

走り味 兄弟車でも方向性は違う

text:Kenichi Suzuki(鈴木ケンイチ)
editor:Taro Ueno(上野太朗)

トヨタのGR 86とスバルBRZは兄弟車であり、エンジンも車体も基本部分は同じモノを使っている。

異なるのは、エクステリア・デザインのわずかな部分とサスペンション系のセッティングというのが先代からのやり方だ。

スバルBRZ
スバルBRZ    スバル

今回もリリースには「クルマのベースを共有しながらも、それぞれの個性を引き延ばした、異なる走りの味を持たせることに注力した」という内容が記載されている。つまり、走り味が異なるのだ。

では、どのように異なっているのか?

まずは、リリースの内容を確認しよう。

トヨタのリリースには「86ファンに喜んでいただける、86らしい味の進化を追求」、「スポーツ性能に特化した、更なる高い次元でのダイレクトで気持ちのいい走り」、「キビキビとした走りをさらに追及」とある。

一方、スバルのリリースでは「誰もが愉しめる究極のFRピュアスポーツカー」、「日常から限界領域までドライバーの意のままに操れる、さらに進化したコントロール性能」、「操る愉しさを極める進化したハンドリング性能」と説明されている。

つまり、リリースを読む限り、「86らしい、キビキビした走り」がトヨタGR 86であり、「誰もが操る愉しさを味わえる」のがスバルBRZという違いがみて取れるのだ。

同じ車体でありながらも、はっきりとした方向性の違いがあるというわけだ。

先代で感じた86とBRZの走り味の違い

では、先代モデルでは、86とBRZの走り味は、どう違ったのか。

まず、2012年2月の86発売を知らせるリリースでは「ドライバーの感覚1つでいかようにも取り回せる『手の内感(うちかん)』や操る楽しさを体感できる、『直感ハンドリングFR』」と説明する。

スバルBRZ(先代)
スバルBRZ(先代)

一方、スバルは「四輪をしっかりと接地させることにより、操縦性と走行安定性、乗り心地の高さを高次元でバランスさせました」、「誰もが安心して、気軽にクルマを操る愉しさを体感できるスポーツカー」というのがBRZだという。

86の表現は異なっているが、BRZは新型と同じような内容であったのだ。

そんな初代の86とBRZの2台を試乗してみると、その走りの方向性は「はっきりと」異なっていた。

端的にいえば86は「いとも簡単にドリフトができるクルマ」であったのに対し、BRZは「安定した扱いやすいクルマ」だったのだ。

86は、手順を踏めば簡単にドリフト状態になり、しかも、その状態を維持するのが簡単であった。

一方、スバルは、もう少し後輪の接地感が高くなっており、また、コーナーリング速度を高めていき限界付近の動きも穏やかで扱いやすかったのだ。

聞けば、アライメントなど足まわりのセッティングのわずかな違いしかなかったという。

逆に、そんなわずかな細工で、これほどはっきりとした違いを表現できるのかと驚いたものだ。

記事に関わった人々

  • 鈴木ケンイチ

    Kenichi Suzuki

    1966年生まれ。中学時代は自転車、学生時代はオートバイにのめり込み、アルバイトはバイク便。一般誌/音楽誌でライターになった後も、やはり乗り物好きの本性は変わらず、気づけば自動車関連の仕事が中心に。30代はサーキット走行にのめり込み、ワンメイクレースにも参戦。愛車はマツダ・ロードスター。今の趣味はロードバイクと楽器演奏(ベース)。

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