【LS/ミライ「レベル2」発売】ホンダ自動運転「レベル3」市販化にトヨタが追従しないワケ
公開 : 2021.04.19 05:45 更新 : 2021.07.12 18:52
トヨタは自動運転「レベル2」の新機能を発表。ホンダに追従しないのは人とクルマに関する考え方にあると解釈します。
トヨタとレクサス最上級車で採用
トヨタは2021年4月8日、新機能「アドバンスド・ドライブ」を搭載したレクサスLS 500hとトヨタの燃料電池車ミライを4月12日から全国で販売すると発表した。
具体的な機能について、トヨタは動画でいくつかの事例を紹介している。詳しくはトヨタのホームページをご覧いただくとして、本稿では概要として触れる。
例えば、同一車線を走行中に、隣の車線の大型トラックとの間隔が狭いとクルマが検知・判断すると、同一車線のなかで大型トラックから少し離れるように走行ラインを変える。
また、高速道路での合流地点で本線内に進入してくる車両がある場合、早めに減速して合流車両との車間距離を保つ。
車線変更や追い越しの場合、ドライバーがステアリングを保持した状態で車線変更先を確認してドライバーから承認を得ると、自動的に車線変更を始める。
その他、ドライバーが体調が悪くなり運転を続けることが難しいと、車内のドライバーモニタリングシステムを通じてクルマのシステムが判断すると、ハザードランプを点滅しながらクルマが自動で減速、また自動でステアリング操作もおこない路肩に一時停車する。
こうした先進技術は、ホンダやスバルでも登場しているが、いったいどれが1番優秀なのか?
なぜホンダより1つ下のレベル2?
今回の発表内容に関して、トヨタはオンライン会議システムを使い報道陣向けに「高度運転支援技術の説明会」をおこなった。
質疑応答の際、「あらためて確認だが……」として「これは(自動運転の)レベル2なのか? 」という質問があった。
これに対して、トヨタ側は「レベル2だ。われわれとしては、レベルにこだわることなく、お客さまの安心安全を第1に考えた『真の安全』を保つには、人とクルマの気持ちが通い合った仲間のような関係にあるべきだと考えている」として、これまでも推奨している「モビリティ・チーム・コンセプト」という考え方を強調した。
トヨタが「レベルにこだわらない」とし、また報道陣側が「なぜ、レベルにこだわらないのか? 」と疑問に感じる背景には、当然のことだが、ホンダが先に発表した世界初の自動運転レベル3の存在がある。
一般的には、レベルが上がれば、より高度な技術が必要になり、その技術を実現したメーカーの技術力や企画実行力が優れていると考えるのが普通だろう。
そのため、2020年(暦年)での世界自動車販売台数で世界一であり、また燃料電池車やコネクテッド技術など世界をリードしているトヨタがなぜ、このタイミングでも自動運転技術では、ホンダのレベルより1つ下のレベル2しか発売しないのかという疑問を抱いてしまう。
いったい、なぜなのか?