【デザインも大きく変わる?】ミニ 2030年までに全モデルEV化 トラベラー、マイナーの名も
公開 : 2021.04.12 18:05
ミニは2030年までに電動ブランドへと生まれ変わります。その過程で「ミニらしさ」も大きく変わりそうです。
中国市場での存在感を確立
ミニは、2030年までにラインナップを刷新してEVのみのブランドとする親会社BMWの戦略により、大きな変革がもたらされようとしている。
ミニは2022年後半から2025年にかけて、全長わずか3.5mの超小型3ドアEVを発売した後、より大型のカントリーマン(日本名:クロスオーバー)と、広々としたMPV(ミニバン)で新シリーズを構成すると予想されている。
後者の2モデルは、少なくとも全長が4.5mになると見られ、これまでのミニの中で最も大きなモデルとなる。現在の3ドアハッチと5ドアハッチ、そしてコンバーチブルとクラブマンも置き換えられるものとAUTOCARは予想する。
また、フォーミュラEのペースカーとして使用されるワンオフの電動ミニJCWペースセッターが発表され、電動ブランド化に向けた一歩が踏み出された。
BMWの関係者によると、スタイリングの過激さを抑えたJCWの電動バージョンが、今年の終わりか2022年の初めに発売されるとのこと。JCWの特徴であるパワーとシャープなハンドリングを披露することで、電動化された新世代のミニの信頼性を確立することを目的としている。
最近、冬期テストを行っている別のEVが目撃されているが、これは「マイナー(Minor)」の名前を復活させるものと思われる。
マイナーは、BMWと長城汽車による新会社、光束汽車が中国で展開する最初のモデルとなる。このモデルは、BMWと長城のエンジニアが共同開発した新しいプラットフォームをベースにしている。中国の江蘇省にある5億5000万ポンド(824億円)の光束新工場の建設は、2020年6月に開始された。
両社は、この工場の役割として、EVの研究開発や、グローバル市場向けの新型ミニモデルの製造などを挙げている。現在、中国ではミニの全モデルが輸入されており、その結果、価格は現地生産のBMW 3シリーズと同等になっている。
ミニの中心となるモデルを、非常にコンパクトな国産都市型EVとして投入することで、中国における同ブランドの存在感を大きく高めることが期待される。
BMWの新型パワートレイン採用か
BMWがミニの超小型化を実現できたのは、EVのプラットフォームが持つパッケージングと省スペース化のメリットがあったからだと考えられている。
横置きエンジンとサンプ・トランスミッション、新しい小型サスペンション、小さなホイールを採用して超小型化を実現した初代ミニと同様に、ミニ・マイナーには、バッテリーによるフラットフロアと、BMWが開発中の新しいオール・イン・ワン電動パワートレインが活用される。
「ヒート(Heat)」というコードネームで呼ばれるこのパワートレインは、新型の水冷式モーター、パワー・エレクトロニクス、1速トランスミッションを、一般的な内燃機関のスペースに収まるように1つのモジュールにまとめたものだ。
新型ミニ・マイナーの技術的な詳細はまだ明らかになっていないが、もしヒートを採用した場合、予想される出力は135ps程度になると思われる。車両サイズが小さく、重量も比較的軽いことから、約35kWhのバッテリーを搭載し、最大で270km強の航続距離を実現すると考えられる。
BMWのある関係者によると、一般的な1日の平均使用距離が37kmであることから、都市部に住むドライバーが1週間分の移動を充電なしで行うことができるという。