【新しさとスタイルで選ぶ】アウディQ5 スポーツバック 45 TFSIへ試乗 マイルドHV 前編
公開 : 2021.04.22 08:25
アウディらしい上質さとパフォーマンスを備え、実用性にも不足ないQ5 スポーツバック。メカニズムはQ5と同じクロスオーバーを、英国編集部が評価しました。
10年で大きく成長を遂げたアウディ
アウディは、ここ10年の間に大きく変化した。自動車業界を問わず大きな注目を集めたブランドの急成長を経て、今では安定期に入ったようだ。
一方でフォルクスワーゲン・グループによるディーゼルエンジンの不正問題をめぐり、前会長らは起訴され出廷。良くないニュースもなくはなかった。成長を後押しした製品戦略の見通しに、近年は迷いも感じるのは筆者だけだろうか。
2000年代に販売台数を伸ばすことへ貢献したモデルが、奇数の番号が振られたスポーツバック。同時期にQの付いたSUVも登場していたが、まだクーペ風のルーフラインは与えられていなかった。それでも、しっかりターゲットは捉えられていた。
ニューモデルが次々に登場する中で、A4からA5スポーツバックへ、A4アバントからQ5へ、ショールームのお客様を誘導することは難しくなかっただろう。アウディが好きで最新モデルを希望する富裕層は、多少の価格アップも気にしなかったはず。
プレミアム・ブランドを成長させる秘訣でもあった。毎年のように、新しく少し高い価格のモデルを発売するのだ。
アウディのニューモデル戦略は、近年SUVのQにクーペ風のシルエットを与えた、スポーツバックへ展開している。ブランドの成長にあたって、セグメントの空白は許されないのかもしれない。
ライバルはBMW X4やメルセデスGLC クーペ
コンパクト・クロスオーバーのQ3にスポーツバックが登場したのは2年ほど前。さらに、ひと回り大きいQ5にも、スポーツバックの波が押し寄せている。
よりスタイリッシュなQ5 スポーツバックは、BMW X4やメルセデス・ベンツGLC クーペなどに対抗するクロスオーバーに位置する。通常のSUVルックのQ5より、英国では2500ポンド(37万円)ほど高い価格が付いている。
リアシートまわりの空間や荷室容量は、わずかに狭い。特徴的なルーフラインに目が奪われ、その事実に気づかないか、気にしない人のための選択肢だ。通常のQ5よりフロントグリルは大きく、バンパーのエアインテーク風デザインも大胆に仕上がっている。
英国でのデリバリーが始まるのは、2021年6月から。マイルド・ハイブリッドを採用する4気筒ガソリンとディーゼルのほか、パフォーマンス重視のV6 TDIを載せたSQ版も用意される。プラグイン・ハイブリッド(PHEV)のTFSIeも登場する予定だ。
Q5 スポーツバックには、7速デュアルクラッチATが組み合わされる。SQ5 スポーツバックは、トルクコンバーター・タイプの8速ATとなる。
四輪駆動のクワトロが標準。経済性を重視する一部のグレードにはトルセン・デフではなく、電子制御クラッチを採用したシステムが載るという。
サスペンションは、安価な方では車高の変わらない一般的なコイルスプリング。高価な方にはアダプティブ・エアサスペンションが装備される。