【じっくり見る】マクラーレン・アルトゥーラの造形美 車重1498kg、ハイブリッド化のネガを相殺

公開 : 2021.04.13 22:07  更新 : 2022.11.04 13:53

マクラーレンの新型車「アルトゥーラ」を、細部まで撮影。マクラーレンの新時代を告げる注目モデルは、機能美とテクノロジーが融合した美しい1台でした。

日本価格は? 軽量を求めたPHEVマクラーレン

photo:Kazuhide Ueno(上野和秀)

マクラーレン・オートモーティブが、新型モデル「アルトゥーラ」を日本初公開した。同社初の量産ハイパフォーマンス・ハイブリッド・スーパーカーである。

また、日本価格が2965万円であることも明らかになった。

マクラーレン・アルトゥーラ
マクラーレン・アルトゥーラ    上野和秀

ジャパンプレミアに登壇した日本支社代表の正本嘉宏氏は、新モデルを「マクラーレンの革新的な、“軽量”ハイブリッド・スーパーカー」と紹介。

アルトゥーラは、マクラーレンのこれからのプラットフォームとなる、カーボン製の新世代アーキテクチャー(MCLA)を採用する第1弾モデルとしてデビューした形になる。

「従来のカーボン・モノセルを進化させ、Bピラーもインテグレートし、さらにはバッテリーのコンパートメントも統合しております。車体のネットワークシステムもCAN-BUSからイーサネットに。これによりハーネスの量を大幅に削減し、軽量化につながっております。加えて、OTA技術を採用することで、今後はリモートで車体のソフトウェアをアップデートすることもできるようになりました」

注目のハイブリッド・パワートレインは、モーターの出力が95ps。新開発の3L直噴V6ターボとあわせた合計最高出力は680ps、最大トルクは73.4kg-m(720Nm)に達する。

重量増を相殺 電動スーパーカーの走りとは

「MCLAは、ハイブリッドのネガである重量増を完全に相殺し、まさにモーターの優れたパワーとトルク特性を、内燃機関にオントップすることで異次元の走りを実現します」

ハイブリッド・モデルにもかかわらずアルトゥーラの車両重量は1498kg(DIN)。乾燥重量は1395kg。F1のコンストラクターならではの軽量化技術の結晶は、どんなドライビングを味わえるのだろう?

マクラーレン・アルトゥーラ
マクラーレン・アルトゥーラ    上野和秀

その走りについて正本代表は、「ガソリン・エンジンの2倍のスロットルレスポンス、胸のすくような加速感を提供する」と表現。

「パワートレインをゼロから設計することによって、エグゾーストノートもうまい形でデザインすることが可能になりました。ドライバーが聞きたい音は積極的に強調し、不快なノイズは徹底的に削減する。8500rpmまでスムースにまわるV6の特性をうまく反映したエンジンノートとなっています」

「その一方で、ハイブリッドである以上、EVモードでは、最長30kmまで排ガス・ゼロ、ノイズレスという異次元の走りを実現することもできます。まさに、静・動の両輪をカバーするインテリジェントなハイブリッド・スーパーカーとなりました」と説明した。

初の量産ハイブリッド・モデルとあって、購入後のケアも踏み込んだものに。

車両保険は5年間、バッテリー保証については6年間を付帯。さらに、毎日ステアリングを握るオーナーにとって使い勝手がいい3年間のメンテンナス・パッケージを標準化している。

これに加えてADASも装備。マクラーレンとしては初めて、アダプティブ・クルーズコントロール(ACC)、レーン・デパーチャー・ウォーニング、アダプティブ・ヘッドライト、ハイビームアシストといった運転支援システムも採用した。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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