【ノーマルのGRヤリスと比較】トヨタGRヤリス(3) 長期テスト サーキット・パッケージの有無
公開 : 2021.04.25 09:45 更新 : 2021.07.12 18:55
英国編集部の評価も極めて高いトヨタGRヤリス。ホットなラリーレプリカを日常使いすることで、クルマの本性に迫ります。
積算8724km 1L当たりの馬力は161ps
実際は不要でも、エンジンオイルのレベルチェックをこまめにしたくなる筆者。GRヤリスも頻繁には必要はないようだが、エンジンにはかなりのストレスが掛かっているはず。排気量1L当たりの馬力は、161psもある。
9600kmごとのオイル交換が求められている理由だろう。長期テストのGRヤリスは、かなり過酷に走り込まれているが、消耗品のすべてはよく持ち堪えていると思う。
積算1万364km 定期点検がやって来た
長期テストのGRヤリスが、定期点検の距離に達した。近年のクルマとしては短く、英国仕様の場合、初回点検は9600kmに指定されている。
英国では、国内のどのトヨタ・ディーラーへクルマを持ち込んでも、165ポンド(2万5000円)の定額で定期点検と基本整備を行ってくれる。その次、1万9300km時の主要点検では、375ポンド(5万6000円)が必要になる。
筆者はどこのディーラーでも良かったのだが、英国トヨタの本社にはサーキット・パッケージの付かないGRヤリスが広報用車両としてある。そこで、長期テストのGRヤリスをサセックスにあるワークショップへ持ち込んだ。乗り比べるために。
ベースグレードの白いGRヤリスの英国価格は、2万9995ポンド(449万円)。長期テストのGRヤリスより、約3500ポンド(52万円)安い。
ノーマルのGRヤリスも楽しさの塊
アルミホイールは鍛造から鋳造になり、タイヤはミシュラン・パイロット・スポーツ4ではなく、ダンロップ・スポーツマックスを履く。トルセン式LSDは装備されず、通常のオープンデフが前後に組まれる。
フロントのアンチロールバーは細くなり、サスペンションもソフトになる。差は大きくないものの、乗り始めてすぐに違いを体感できた。
ノーマルのGRヤリスは、市街地の継ぎ接ぎだらけの路面でも揺れがマイルド。パワーを掛けた時は、ステアリングへの影響が少ない。アクセルペダルを積極的に操作しても、姿勢変化が小さくなっている。
タイトなフィーリングは薄いかもしれない。勾配やカーブの続くワインディングでの安定感は、サーキット・パッケージ付きの方が高い。トラクションもスピードも勝っている。それでも、ノーマルのGRヤリスも楽しさの塊だたった。
適度な速度で一般道を走るような時間でも、本当に楽しい。素晴らしいロードカーだ。
では、どちらを選ぶべきだろうか。筆者なら、恐らくサーキット・パッケージ付きを選ぶが、状況にもよりそうだ。
スーパーカーやケーターハムなど、シリアスなドライバーズカーを所有していて、扱いやすく楽しいロードカーが欲しいなら、標準のGRヤリスは最高の選択肢になるだろう。日常の素晴らしい相棒になる。