【鋭さそのままに】ルノー・メガーヌR.S.試乗 オーナーにはわかる「着実な進化」
公開 : 2021.05.02 05:45 更新 : 2021.10.11 14:50
ルノー・メガーヌR.S.に試乗しました。走りの鋭さそのままに、オーナーにはわかる着実な進化を遂げています。
どこが変わった? メガーヌのマイチェン
ルノー・メガーヌR.S.のニュースといえば「ニュルブルクリンクのベストラップ更新」というイメージが強いのだけれど、今回の話題はマイナーチェンジとのこと。
早すぎるような気もするが、現行メガーヌR.S.のデビューは2017年9月のフランクフルトショーなので、今年の3月でジャスト3年半。たしかにマイチェンのお年頃なのである。
試乗会が開催されている箱根ターンパイクのてっぺんに到着して、わが目を疑った。
なぜって以前と同じオレンジ色(オランジェトニック)の個体が並んでいたからだ。
クルマの周りをグルリと回ってみたのだが、どこが新しくなったのか見当もつかない。筆者が前期型オーナーだったらホッとするパターンだ。
おそらく四輪操舵システムの4コントロールの制御が変わったんだろうと思ったらそれもないという。
今回の変更ポイントをざっくり挙げると、メガーヌR.S.はセラミックボールベアリング内包のターボを装備した300psのエンジンとアクティブバルブ付スポーツエグゾースト、アルカンタラ張りのステアリング。
R.S.トロフィーのMTモデルはローンチコントロールを追加。両モデルに共通の新装備としてはACC(EDCはストップ&ゴー機能付)、アクティブエマージェンシーブレーキ、LEDの前後ランプ、イージー・リンク(インフェテインメントシステム)などという。
ちなみにAUTOCAR編集部が所有する前期型は追従機能のない単なるクルーズコントロールなので、普段使いで最も羨ましいのは300psエンジンよりACCの方かもしれない。
オーナーにはわかる「着実な進化」
今回の試乗車はR.S.のみで、ギアボックスはもちろんEDCである。
R.S.トロフィーのMTモデルも1台用意されていたが、今回は撮影のみ可能という状態だった。
LED化されたという前後のランプは、ユニットの中に横長のアクセントが2つずつ仕込まれている。そんな予備知識がある人が見れば新型だとわかる程度。タイヤ&ホイールはキャリーオーバーされている。
なんだかかわり映えしないなと思いつつエンジンを掛けると、間髪を入れず「あ、音が変わりましたね」と編集部U氏。
そう言われてみればアイドリング時のボリュームに迫力がある。オーナー(というか普段使いしている人)には違いがはっきりわかるようだ。
300psに到達した1.8Lターボ・エンジンはこれまでもトロフィーやトロフィーRで体感ずみのもの。
プラス20psはエンジンが吹けきる刹那に発揮されるので、峠道ではわかりずらい。
ACCのストップ&ゴー機能も渋滞がなかったので試せず……。
だが今回のマイナーチェンジで実用性やセーフティの部分が着実に底上げされた点は評価できる。
昨年デビューしたルーテシアがストップ&ゴー機能付きACCやアクティブエマージェンシーブレーキといった装備を与えられていたことを考えれば、メガーヌに同様の装備が盛り込まれないことの方がおかしい。今回のマイチェンは順当なのである。