【勇敢で多才】最も偉大なラリードライバー 10選 あらゆる路面を制する者たち

公開 : 2021.04.18 08:05  更新 : 2022.11.01 08:55

砂・雪・ターマックなど多種多様な路面に適応するラリードライバー。その中で最も優れている人物を選びます。

森をかき分け、山を登る

text:James Disdale(ジェームズ・ディスデール)
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)

モータースポーツで名声と富を手に入れるとなると、F1ドライバーが圧倒的に優位に立つ。スピードとグラマラスさを兼ね備えたグランプリ・サーカスは、話題の中心となりやすい。

しかし、地球上で最も勇敢で多才なドライバーを探しているのであれば、森に足を踏み入れるか、山に登るかして、ラリードライバーを探す必要がある。ラリードライバーは、砂利を掴み、アスファルトを引き裂き、雪を焦がし、あらゆる場所に適応して速く走ることが要求される。

単なる統計とは少し異なる視点から10名を選んだ。
単なる統計とは少し異なる視点から10名を選んだ。

しかし、誰が最も優れているのか、どうやって決めればのだろうか?

統計を参考にすることもできるが、英AUTOCAR編集部はもう少し深く掘り下げて、数字の裏を見てトップ10を決めることにした。贔屓目もあるかもしれない。しかし、一貫性を保つために、1979年にWRCが公式に開催されて以来、参戦しているドライバーのみを選んでいる。

さて、あなたはAUTOCARのチョイスに同意してくれるだろうか?そうでない場合は誰を選ぶだろうか?

セバスチャン・オジェ

勝利数:50 ワールドタイトル:7

もう1人のセバスチャンほど勝利数やWRCチャンピオンの獲得数は多くないが、彼が達成したものは間違いなく、それ以上に価値のあるものだ。シトロエンでローブと対峙するやいなや、オジェが本物であることが明らかになった。今でも同じマシンで年長のフランス人を真っ向から打ち負かした数少ない選手の1人である。

セバスチャン・オジェ
セバスチャン・オジェ

オジェは、どのような路面でも速く、最速タイムを出してもタイヤを大切にするという不思議な能力を持っており、完璧さを追求するためには手段を選ばないという猛烈な仕事熱心でもある。圧倒的な強さを誇るフォルクスワーゲン・ポロでのタイトル獲得も期待されたが、プライベートマシンであるMスポーツ・フィエスタでヒュンダイやトヨタのファクトリー勢を相手に獲得した2つのタイトルは、彼の類まれな才能を最もよく表している。

2021年は引退前の最後の年となるが、8つ目の王冠を頭に載せて旅立つ彼に反対することはできないだろう。

ユハ・カンクネン

勝利数:25 ワールドタイトル:4

ユハをこのリストの上位に据えることには反論もあるだろう。ターマックでの弱さ(WRCのターマックで一度も勝ったことがない)は彼にとって不利に働く。3つのメーカーで4つのチャンピオンを獲得した事実は、25勝と同様に十分に印象的だ。

ユハ・カンクネン
ユハ・カンクネン

口髭のマエストロが特別な存在であることを示すのは、グループB、グループA、WRCのマシンで勝利を収めたという事実であり、これほど多才なドライバーはほとんどいない。

常に最速というわけではなかったが(フィンランド人にしては不思議なことに、左足でブレーキをかけることはほとんどなかった)、カンクネンのシルクのように滑らかなスタイル、メカに対する理解力、冷静な判断力は、常に適切なタイミングで適切な場所を走ることに繋がり、ライバルにプレッシャーをかけてミスを誘い、それを利用して優位に立つことができた。

プジョー205 T16でも、ランチア・デルタでも、スバルインプレッサWRCでも、カンクネンは偉大なドライバーとして語り継がれていくことだろう。

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