【元JLR社の技術者が主導】ヒューマン・ホライゾンズ・ハイファイXへ試乗 新興企業の挑戦

公開 : 2021.05.13 08:25  更新 : 2023.05.01 08:40

中国の新興企業、ヒューマン・ホライゾンズ社が白紙状態から生み出した純EVがハイファイX。プレミアム・ブランドを狙う1台を、英国編集部が評価しました。

Sクラス級の大きさを備える上級EV

text:Mark Andrews(マーク・アンドリュース)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
中国のスタートアップ企業、ヒューマン・ホライゾンズ社が展開する純EVブランドが、ハイファイだ。中国国内で、プレミアム・ブランドとしての地位獲得を狙っている。

ブランド初の量産モデルとなるのが、今回試乗したハイファイX。キャビンがクルマの前方に寄った、キャブフォワードのプロポーションが特徴で、ヒューマン・ホライゾンズはシューティング・クロスと読んでいる。

ヒューマン・ホライゾンズ・ハイファイX ファウンダーズ・エディション(中国仕様)
ヒューマン・ホライゾンズ・ハイファイX ファウンダーズ・エディション(中国仕様)

エンジンのないパッケージングを活かし、ほかの純EVも取り入れる流れにあるカタチだ。アメリカのファラデー・フューチャー社が進めるFF91や、ジャガーIペイスなど何台かが思い浮かぶ。

写真ではわかりにくいものの、ハイファイXのボディは大きく、メルセデス・ベンツSクラスよりも長い。ホイールベースは、Sクラスほどではないのだが。

定員は6名で、上級モデルに期待する通りの充実した装備が搭載されている。リアドアはテスラモデルXを真似たようなガルウイング。ルーフとともに上方へ開き、乗降性を高めている。ほかにも驚く機能も複数備え、中国の富裕層へ訴えかける。

シャシー中央の低い位置へバッテリーが敷き詰められたスケートボード構造で、容量は97kWh。前後に2基のモーターを搭載し、最高出力は598ps。0-100km/h加速は3.9秒となかなか素早い。

サスペンションはフロントがダブルウイッシュボーン式で、リアがマルチリンク式を取る。リア側には、最大で10度にまでタイヤが向きを変える後輪操舵システムも搭載。大きなボディながら、11.6mの最小回転直径を得ている。

モニターに専有されるダッシュボード

ハイファイXを町中に停めてみると、従来のクルマとは容姿が大きく異ることがわかる。純EVとして生まれたクルマだと、主張するようだ。

フロントガラス両端のAピラーは、フロントフェンダー直上から立ち上がる。まるでミドシップのランボルギーニのようですらある。

ヒューマン・ホライゾンズ・ハイファイX ファウンダーズ・エディション(中国仕様)
ヒューマン・ホライゾンズ・ハイファイX ファウンダーズ・エディション(中国仕様)

インテリアを覗くと、近年の中国で展開される純EVの例に沿って、ダッシュボードは大きなモニターに専有されている。エアコンやステレオなどの機能は、車内中央に鎮座する16:9の巨大なタッチモニターか、音声認識機能で操作できる。

メーターパネルもモニター式。ヘッドアップ・ディスプレイも付いている。

助手席側正面にもエンターテインメント用のモニターがレイアウトされ、グローブボックスはない。ハイファイXの助手席を、ヒューマン・ホライゾンズはクイーンズ・シートと呼ぶ。ファーストクラスのように、ほぼ水平にまでリクライニング可能だ。

センターコンソールには、従来的なカップホルダーと小物入れ、スマートフォンのワイヤレス充電機能が用意される。センターモニターの裏側は空いており、こちらにも小物を置けるスペースがある。

2列目には、USBポートが一体となった独立型のパワーシートが2脚並ぶ。左右のドアには、エアコンの温度調整のほか、シート・ヒーターとクーラーの調整、マッサージ機能などの操作パネルが個別にある。

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