【4月の新車販売】前年超えも、コロナ前の水準に届かず 今後の展望は?
公開 : 2021.05.07 06:15
4月の新車販売のレポートです。2020年4月と比べればプラスですが、コロナ前の水準には届かず。ホンダは、新型ヴェゼル発売前の買い控えが影響。
2020年の4月比 約30%プラス
2021年4月の国内新車販売は、新型コロナウイルスの感染拡大による自粛の影響はあったものの、販売が大きく落ち込んだ前年の反動が数字となって明確に表れる形となった。
4月の登録車の新車販売台数は、前年同月比22.2%増(21万353台)と、2か月連続での前年実績超えで、しかも、昨年10月以来の2ケタ増を記録。
一方、4月の軽自動車の国内新車販売台数は、同42.0%増(13万9542台)と7か月連続でのプラスを達成する(数値は、日本自動車販売協会連合会、全国軽自動車協会連合会の速報値)。
結果として、トータルでの国内新車販売台数は同29.4%増(34万9895台)と、7か月連続での前年超えを成し遂げた。
登録車の4月のブランド別新車販売台数では、半導体不足で減産を余儀なくされ、また新型ヴェゼルの発売が月末の23日だったために買え控えが一部で起きたホンダが、前年同月比7.2%減(2万737台)と前年割れを記録。
また、前年の4月は新型ロッキーの発売後で販売台数が大きく伸びていたためにその反動が出たダイハツは、同22.3%減(2607台)とマイナスに落ち込む。
一方、トヨタは同25.9%増(11万5436台)、日産は同27.0%増(1万5842台)、スズキは同65.9%増(1万64台)、マツダは同7.4%増(6810台)、スバルは同50.6%増(5402台)、レクサスは同37.5%増(4404台)、三菱自は同146.8%増(2399台)と前年実績を大幅に上回った。
軽自動車についても詳しく見てみよう。
2019年の4月と比較したら……
軽自動車の4月のブランド別新車販売台数では、OEM供給を受けるスバルが前年同月比1.8%減(1610台)とマイナスを記録した以外は、すべてのブランドが前年実績超えを達成する。
首位に立ったのはダイハツで、同37.7%増(4万5683台)を成し遂げて3か月ぶりのシェアトップにつく。
2か月連続で首位をキープしていたスズキは、同68.2%増(4万3581台)を記録したものの、第2位に陥落した。
また、新型NワンやマイナーチェンジしたNボックスの販売が好調なホンダは、同19.5%増(2万7083台)。
新型ルークスの受注が堅調な日産は同46.7%増(1万2499台)、eKシリーズの生産および販売が復調した三菱自は同46.8%増(2603台)と、いずれも2ケタの大幅増を成し遂げる。
一方、OEM供給を受けるブランドでは、トヨタが同57.4%増(4088台)、マツダが同21.5%増(2388台)と前年超えを達成した。
4月の動向と、今後の展望
4月の新車市場の動向について業界団体の関係者は、「新型コロナウイルス感染拡大の影響で販売が大きく落ち込んでいた前年の反動もあって、4月は登録車と軽自動車ともに2桁の大幅増を記録した。販売店では集客の回復傾向も続いている。ただし、コロナ前の一昨年のレベル(登録車23万954台、軽自動車14万7733台)にはまだ戻っていない」
「自動車用の半導体の不足による減産、それに伴う需給ギャップは徐々に解消しているものの、新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言およびまん延防止等重点措置の市場への影響は、少なからず残っている」と解説する。
今後の展開に関しては、「5月以降は、半導体不足などによって発表が遅れていた新型車や特別仕様車が相次いで発売される予定なので、前年実績超えをキープできる可能性は十分にある。一方、新型コロナウイルス変異株による感染拡大の長期化、それに伴う景況感の悪化および消費低迷などは、憂慮される要素」と分析した。