【車中泊は、アイデア装備で】ベース車とどこが違う? ベルランゴのキャンピングカー

公開 : 2021.05.18 11:45  更新 : 2021.10.11 10:56

車中泊に便利なアイテムには、どんなモノがあるでしょう? シトロエン・ベルランゴのキャンピングカーには、アイデア装備が充実していました。

ベースはフィール 車高140mmアップ

photo:Kazuhide Ueno(上野和秀)

ジャパンキャンピングカーショー2021で、注目されたモデルの1台をご紹介しよう。

愛知県のホワイトハウス社(キャンピングカー部門)が開発した「ベルランゴ・キャンパー・ソレイユ」だ。

ベルランゴ(1.5Lディーゼル/8AT)をベースとしたキャンピングカー。ポップアップルーフ仕様は、ポップアップカバーの側面に、エアバンプと同じマークが。
ベルランゴ(1.5Lディーゼル/8AT)をベースとしたキャンピングカー。ポップアップルーフ仕様は、ポップアップカバーの側面に、エアバンプと同じマークが。    上野和秀

ベース車は、シトロエン・ベルランゴの中でも、エントリーグレードの「フィール」。そのため、パノラミック・ガラスルーフや、天井を前後に貫くフローティング・ラゲッジは搭載されない。

その代わりにポップアップルーフ仕様、ノーマルルーフ仕様という2種類を用意することができ、ユーザーのニーズに沿った車種展開を実現した。

また2列目シートは、同時発表されたプジョー・リフターのキャンパーでは3座独立仕様だったが、こちらは60:40分割可倒式となる。

撮影したポップアップルーフ仕様のボディサイズは、全長×全幅×全高が4405×1850×1990mmというもの。ベース車より車高が140mm高く、車重は60kg重い。

車中泊のためのベッド(ベッド下の引出し収納とセットオプション:22万円)は、後席シートバックを前方に倒し、荷室との段差を埋めるボードを引出してできるフラットスペースに設置。そこにマットレスを展開すれば、1170×1800mmのベッドになるわけだ。

ペットボトル 逆さに固定

心をくすぐる装備は、13万2000円でオプション設定される「スライドアウト式ギャレー」。

ベース車でいう荷室部分は引出し式の収納となっており、それがフラットスペースの基部になるのだが、右側の引出しを、コンパクトに折り畳めるキッチン&テーブルに換装したのがギャレーというスペシャルオプション。

スライドアウト式ギャレー(OP)は、外に向かってギャレーを引き出して展開する。キッチン/シンク/テーブルとして使える。
スライドアウト式ギャレー(OP)は、外に向かってギャレーを引き出して展開する。キッチン/シンク/テーブルとして使える。    上野和秀

写真のように、よく考えられた3段構造となっているのが面白い。

最上段はキッチン&コンロで、ペットボトルを逆さに固定できる蛇口が付属する。中段がシンクで、ペットボトルから流れる水を受け止める形に。下段はテーブルとして使える。

調理、洗い物、食事のための装備が1つのアッセンブリーとなり、使わないときにはベッド下に収納できるアイデア・パッケージ。

これなら、荷物を減らして身軽にキャンプに向かうこともできる。

虫よけネット、遮光シェードセットも

もう1つの注目は、虫よけ/遮光対策の充実。

まずは、スライドドア/バックドアのそれぞれに、マグネットで簡単装着可能なモスキートネットが用意されていること(オプション:2万9700円)。

専用形状のプライバシーシェードと、マグネット式のモスキートネットも用意。
専用形状のプライバシーシェードと、マグネット式のモスキートネットも用意。    上野和秀、ホワイトハウスキャンパー

また、本車両のあらゆる窓には、専用形状のプライバシーシェードが装着できるようになっている(オプション:3万9600円)

クルマの中に蚊・虫が入るのを防ぎ、車外からの視線と日射しを遮断するこうしたアイテム。車中泊や着替えの際に重宝するだろう。

ポップアップルーフ仕様は、ルーフを手動で持ち上げる方式で、内部に1100×1900mmのベッドスペースを確保。よく見れば、車体横のエアバンプのカラーアクセントを模したマークが、ポップアップカバーの隅に配置されている。

ベルランゴ・キャンパー・ソレイユの価格は下記のとおり。ベース車のキャラクターを崩さずに仕立てたキャンピングカーだから、きっと豊かな休日を過ごせるはずだ。

ノーマルルーフ仕様(エアヒーター付き):367万7500円
ポップアップルーフ仕様(エアヒーターなし):404万6000円
ポップアップルーフ仕様(エアヒーター付き):449万3500円

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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