【次期型もFR維持】BMW 2シリーズ M240i クーペ テスト車両へ試乗 発表は6月上旬予定
公開 : 2021.05.23 08:25
BMW最小の2ドアクーペ、次期2シリーズの開発は大詰め段階。英国編集部は、最新のテスト車両へ試乗する機会を得ました。
ベスト・ドライバーズカーだった初代
F22型の初代2シリーズで、ベスト・ドライバーズカーと呼べる見事なクルマを完成させたBMW。2代目となる次期型も、技術的な仕様に大きな変更が与えられる可能性は低かった。
新しい2シリーズの中で、4ドアのグランクーペは前輪駆動で横置きエンジンのプラットフォームを採用する。だが、BMWでドライビング特性を取り仕切る技術者のヨス・ヴァン・アスによれば、2ドアクーペでの利用は視野になかったという。
ミュンヘン郊外にあるBMWの試験施設で、プロトタイプを目の前にしながら生粋のクルマ好きでもある彼が話す。もし次期型が期待通りのパフォーマンスや操縦性を得ることができなければ、新しい2シリーズ・クーペは生き残れないと。
特に興味深かったのが、新しい2シリーズ・クーペの開発は最新のZ4と並行して進められた、ということ。実際、この2台はエンジンなどのパワートレインや、CLAR(クラスター・アーキテクチャ)と呼ばれるプラットフォームを共有する。
フロントがマクファーソンストラット式、リアがマルチリンク式となるサスペンションも共通。「2台でシェアできる部分は沢山あります」。とヴァン・アスは説明する。
「2シリーズ・クーペでは、ボディ剛性を最大40%も先代から向上させています。ステアリングの精度などで、大きな違いが生まれる数字です。ステアリングラック周辺の剛性も高まりますから」
「フロントサスペンションも新しく、ネガティブキャンバーの角度を強めることも可能になりました。実感できると思いますよ」
従来的なロングノーズの3ボックス
試験の真っ最中となる、プロトタイプへの試乗を許された英国編集部。全体のプロポーションは従来的なロングノーズを備えた、3ボックスを形成している。偽装は厚く、最新のBMWらしい何かを感じ取ることはできない。
明らかにわかることは、次期2シリーズ・クーペがひと回り大きくなっていること。ホイーベースは初代から51mm長くなり、トレッドはフロントで52mm、リアで31mmも広げられている。
複雑な模様の入ったボディをよく観察すると、ホイールアーチが広がり、フェンダーラインもふくよかになっていることがわかる。ヴァン・アスによれば、19インチのホイールまで用意されるという。
BMWは、4種類の2シリーズ・クーペを英国では提供予定とのこと。エンジンによって後輪駆動と四輪駆動が選べる。220iと220d、230iとM240i xドライブの4種類がやって来るらしい。225iも存在するものの、英国に来るかは不明だ。
後輪駆動の230iには、B48型2.0L 4気筒ターボガソリン・エンジンを搭載。最高出力は248psが与えられる。
今回試乗したM240i xドライブには、B58型の3.0L 6気筒ターボガソリン・エンジンが載る。次期M2の登場までは、新しい2シリーズ・クーペのトップ・パフォーマンスの座に着くことになる。
M240i xドライブの最高出力は379ps。先代比で19psパワーアップしており、M2コンペティションと比べると、31psの差にまで詰めている。