【速く走るほど良くなる】ポルシェ・ボクスター/ボクスターS(987型) 英国版中古車ガイド
公開 : 2021.06.03 08:25 更新 : 2021.07.12 18:45
人気を集めたものの、新型の登場で手放されるケースが多かった987型のボクスター。長期的に楽しみたいお値打ちモデルだと、英国編集部は評価します。
もくじ
ー986型から80%新しくなった987型
ー2.7Lから3.4Lまで選べる水平対向6気筒
ー最後のオーナーになりたいと思える
ーオーナーの意見を聞いてみる
ー不具合を起こしやすいポイント
ー英国ではいくら払うべき?
ー知っておくべきこと
ー英国で掘り出し物を発見
986型から80%新しくなった987型
2004年から2012年に売られていた、987型ポルシェ・ボクスターに再び注目してはいかがだろう。複数オーナーで10万km近い走行距離の例も少なくないが、まだまだ魅力は健在といえる。
執筆中に英国の個人売買サイトを見ていたら、2005年式の2.7Lモデルが筆者の目に止まった。走行距離は英国では妥当な部類の11万5800kmで、現オーナーは9600km毎に費用をかけてメンテナンスを施してきたという。
これまで11オーナーということだが、次のオーナーはさほど心配せずに乗れそうだ。中古車ディーラーの多くは納車の度にメンテナンスするし、オーナーも新しいパートナーとして大切に乗ることが多い。
「クルマの多くは、オーナーの感心が薄れると状態が悪くなります」。と話すディーラーもいる。オーナーが変わるたびに価格が安くなる、という期待も持てる。
一方で、複数オーナーの987型ボクスターを大切に乗っているコリン・パターソンは、購入後に何度か大規模なメンテナンスが必要だったという。それでも、素晴らしいクルマに対する正当な対価だったと考えている。
987型と986型のボクスターを見分ける一番わかりやすい違いは、ヘッドライト。986型のヘッドライトは涙目と呼ばれ、下部が内側へカーブした形状をしている。
そんな見た目以上に、中身の進化ぶりは大きかった。新車当時、987型の80%は新しいとポルシェは主張していた。
2.7Lから3.4Lまで選べる水平対向6気筒
中でも、広げられたトレッドやシャープさを増したシャシー、新しい可変レシオのステアリング・システム、上質になったインテリアなどが987型の特徴。電子制御システムもアップデートされている。
「速く走るほど、良くなります」。と、当時のAUTOCAR編集部はまとめている。複数オーナーでも、多くのドライバーを987型は楽しませてきたと考えれば良い。
987型ボクスターとボクスターSのエンジンは、986型からのキャリーオーバー。2.7Lと3.2Lの水平対向6気筒エンジンで、最高出力はそれぞれ240psと280psへわずかにパワーアップしていた。
2007年、2.7Lエンジンにバリオカム可変タイミングシステムが追加。最高出力は244psへ上昇している。それに合わせて、ボクスターSも3.4Lへ排気量が増え295psとなった。
トランスミッションは、ボクスターで5速MT、ボクスターSで6速MTを発売当初から設定。後に5速AT、ティプトロニックも追加されている。現在、欧州で流通する987型の多くはMTだ。
続いて、2008年末にマイナーチェンジ。2.7Lエンジンは2.9Lへ排気量が増やされ、255psを発揮。Sの3.4Lユニットはダイレクト・インジェクション化され、310psを獲得している。
同時にトランスミッションは、6速MTか7速PDKへ刷新。ステアリングとサスペンションにも改良を受けた。スタイリングの変更点はライトまわりのみ。フロントはバイキセノンになり、リアはLED化されている。