【消えゆく国産ステーションワゴン】レヴォーグ/カローラ・ツーリング売れているのに 背景は?
公開 : 2021.05.26 05:45 更新 : 2021.10.22 10:07
レヴォーグ/カローラ・ツーリングは売れているのに国産ステーションワゴン市場が盛り上がりに欠ける背景を考察します。
もくじ
ーレヴォーグやカローラ・ツーリングは売れている
ー今や国産ワゴンの比率はわずか4%に
ーミニバンに押され、SUVに押され……
ーワゴンの需要がなくなったわけではない……
ー国産ワゴンユーザーは輸入車ワゴンに流れる
レヴォーグやカローラ・ツーリングは売れている
クルマ好きのユーザーに好まれるメーカーといえば、スバルが筆頭に挙がる。
スバル車に乗っている人を「スバリスト」と呼んだりする。
スバル車には、水平対向エンジンや4WDなど独自のメカニズムも多い。これらの相乗効果で生み出される優れた走行性能は、安全で操る楽しさも実感できるから、多くのユーザーに好まれている。
そしてスバルには、伝統的にワゴン(ステーションワゴン)が多い。1980年代にレオーネにワゴンが設定され、レガシィ・ツーリングワゴンを経て、今はレヴォーグが販売されている。
レヴォーグの登録台数は、2021年1~4月の1か月平均が約3800台であった。
とくに多くはないが、レヴォーグは売れ筋の価格帯が350~400万円の高価格車だ。
しかも、スバルの販売店舗数は、全国に約460か所と少ない。トヨタの10%にとどまる。レヴォーグの価格とスバルの販売網を考えると、1か月平均が約3800台であれば立派だ。
また、ワゴンではトヨタのカローラ・ツーリングも好調だ。2021年1~4月には、カローラ・シリーズ全体では1か月平均で約9300台が登録され、この内の約半数、つまり4700台前後がツーリングで占められる。プリウスなどと同等の売れ行きで、堅調な部類に入る。
この2車種を見る限り、ワゴンも相応に人気が高いと思わせるが、ほかのメーカーでは激減している現実がある。そこを探りたい。
今や国産ワゴンの比率はわずか4%に
クルマには複数のカテゴリーがあるが、ワゴンは車種数が最も少ない。
15年ほど前までは、トヨタではカルディナやマークIIブリット、日産はステージアやウイングロード、ホンダならアコードワゴン、三菱はランサーワゴンという具合に各メーカーがワゴンを相応に用意していた。
それが今では、前述のレヴォーグとカローラ・ツーリング以外は、先代型を継続生産するカローラ・フィールダー、先代ホンダ・フィットをベースにしたシャトル、発売から8年以上を経過したマツダ6(旧アテンザ)ワゴンしかない。
レヴォーグとカローラ・ツーリングを除くとすべて設計が古く、プリウスαは販売を終えた。
15年ほど前までは、国内で新車として売られる小型/普通乗用車の10%近くをワゴンが占めたが、今は約4%だ。
車種の数が減り、ワゴンの売れ行きも大幅に下がった。
この背景にはミニバンやSUVの好調な売れ行きがある。