【排ガス規制でエンジンは高くなる】アウディ 新型Q4 eトロンは売れる? CEOインタビュー
公開 : 2021.05.22 06:05 更新 : 2021.11.11 13:19
電動化を加速させるアウディ。将来の展望についてマルクス・ドゥスマンCEOにインタビューしました。
近い将来、アウディはどうなる?
アウディは先日、これまでで最も手頃な価格のEV、Q4 eトロンを発表した。この中型SUVは、英国では今年後半に発売される予定で、価格は4万~5万ポンド(約620~770万円)になると言われている。
Q4 eトロンは、Q5に匹敵するゆったりとした室内空間を持ちながら、よりコンパクトなボディを備えており、同社初の主流EVとして認識されている。
その後まもなく、A6 eトロン・コンセプトが公開された。これは、長年にわたって販売されている高級セダンA6のEV仕様を示唆するものだ。
ラインナップの電動化が加速していることは明らかだが、それがICE車や小型車、市場でのポジショニングにどのような意味を持つのかについては疑問が残る。
英AUTOCAR編集部は先日、アウディのCEOであるマルクス・ドゥスマンに独占インタビューを行い、2025年までに20台以上の新型EVを導入するという、111年の歴史の中で最も重要な変革を遂げたアウディの将来がどうなるのかを探った。
Q4 eトロンへの期待値
――Q4 eトロンは、アウディのベストセラーカーになる可能性はありますか?
「そうなればいいですね。Q4 eトロンは、アウディの強力なラインナップの真ん中に位置しており、ぜひとも多く販売したいと考えています」
「EVは市場でますます重要になってきており、バッテリーEVのお客様は(ICEに)戻りたくないと思っていることがわかっていますので、力強い成長を期待しています」
「Q4 eトロンは、アウディのベストセラーになるか。実際のところ、それはわかりません。工場にどれだけの台数を導入するかは、わたし達にとって難しい問題の1つです。変化には対応できますが、需要を予測することは、内燃機関を搭載したクルマより困難です」
――Q4 eトロンは、Q5と同等の室内サイズを持ちながら、よりコンパクトになっています。これは、EVが古典的なモデルレンジ構造を変えることを示唆しているのでしょうか?
「いい質問ですね。わたし達もいろいろと考えてみましたが、ラインナップは今とほぼ変わらないと考えています。どのセグメントにおいても、お客様からは『自分の好みに合ったEVはいつ発売されるのか』というご質問をいただいています」
「内外装のサイズ比が良い、というご意見はごもっともですが、お客様の好みはそれだけではなく、予算、着座位置、ボディの長さなどにも左右されます。ですから、クラシックなセグメントは残ると考えています」
――Q4 eトロンの英国での販売価格は約4万ポンド(約620万円)からです。例えばQ3 eトロンのような、より安価なEVを購入することは可能になるのでしょうか?
「検討しています。いくつかの選択肢がありますが、まだ決めていません。もしかしたら実行するかもしれませんが、短期的には無理です」
「フォルクスワーゲン・グループは、より小型で低コストのEVを求める人々に、他の選択肢を提供しています。わたし達の市場での地位を考えると、低いエントリーセグメントにはあまり手を伸ばさないほうがいいと考えています」