【ハイラックスの動きにも注目】フォードF150ライトニング登場 「ピックアップはEVに向かない」覆す
公開 : 2021.05.23 05:45
フォードF150のEVは「ピックアップはEVに向かない」を覆すクルマです。この流れにトヨタが続くのでしょうか。
F150 EV ゲームチェンジャーになるか?
フォードF150のEVバージョンの2022年春発売が決定した。
フォードは、この歴史的な瞬間の準備として、特設サイトでティザー動画が流してきたが、そこには歴代F150がズラリと並び、その先にF150の新しい未来が待っていると、来たるべき新型車の登場を煽った。
ピックアップトラック王国のアメリカはもとより、グローバルに展開するさまざまなタイプのピックアップトラックオーナーが、その姿をいち早く見ようと、オンラインでのワールドプレミアを視聴した。
アンベールされたモデル名は、なんとF150ライトニングだった。
ライトニングといえば、1990年代から2000年代にかけて、F150のハイパワーなスポーティモデルとして君臨した。
筆者(桃田健史)もフォード本社主催の各種試乗会などで、全米各地のサーキットや市街地にて、当時のF150ライトニングを走らせたが、まさかあれから20年後に、ライトニングがピュアなEVに変身するとはまったく想像できなかった。
当時のライトニングは、スーパーチャージャーなどによるV型8気筒のパワーによる衝撃的な走りで、ライトニング(稲妻)のイメージとしていた。
それが、最新ライトニングは電動に直結するのだが、公開された内容を見ると、特長は強靭な電動パワーだけではなかった……。
「ピックアップはEVに向かない」を覆す
そもそも、ピックアップトラックとEVとの「相性は良くない」イメージがある。
いわゆるEVの三重苦といわれてきた、満充電での航続距離の短さ、充電時間の長さ、そして電池のコスト高による車両価格の高さが関係する。
ピックアップトラックの信条とは、タフネスである。
工事現場、農場、牧場などで荷台に高負荷をかけての作業、またキャンピングトレーラーなどをけん引するためのトーニング性能など、過酷な環境や走行条件での実務をこなす必要があり、どうみてもEVとの相性は良くないのだ。
そうしたネガティブなイメージの「ほとんど」を、F150ライトニングは払拭した。
今回発表された内容では、走行性能について最大出力のターゲットは581psで、加速性能は停止状態から時速60マイル(約96km/h)が4秒台半ばと、高性能スポーツカーやテスラのようなハイパフォーマンスをみせるという。
在りし日のライトニングを超えるスーパートラックである。
そのうえで、トーイング性能は1万ポンドを誇り、ガソリンモデル以上のタフな利活用が可能だ。
ただし、バッテリー容量について詳しい数値がなく、満充電での航続距離はベースモデルが230マイル(368km)でオプションで300マイル(480km)対応までバッテリーサイズを拡張できると発表するにとどめた。