【今後の市況は?】新車販売、5月は回復 夏のボーナス商戦/半導体不足の動向は?
公開 : 2021.06.02 06:45
日本車の5月の販売台数が判明。コロナ禍/半導体不足のなか、回復をつづけています。ボーナス商戦、今後の減産について関係者の声が届きました。
緊急事態宣言/半導体不足でも、プラスに
2021年5月の国内新車販売は、新型コロナウイルスの感染拡大における緊急事態宣言、まん延防止等重点措置の影響や半導体不足による減産はあったものの、販売が大きく落ち込んだ前年の反動が明確に表れる成績となった。
5月の登録車の新車販売台数は、前年同月比30.9%増の19万3750台と、3か月連続でのプラスで、しかも2か月連続での2ケタ増を記録。
一方、5月の軽自動車の国内新車販売台数は、同78.6%増の12万5568台と、8か月連続でのプラスを達成する(日本自動車販売協会連合会/全国軽自動車協会連合会の速報値)。
結果として、トータルでの国内新車販売台数は同46.3%増(31万9318台)と、8か月連続で前年実績を上回った。
登録車の5月のブランド別新車販売台数では、半導体不足で減産を余儀なくされたホンダが、前年同月比5.0%減(1万5795台)と前年割れを記録。
一方、好調がつづくトヨタは同30.3%増(10万1473台)。さらに、日産は同36.5%増(1万6631台)、スズキは同106.1%増(7565台)、マツダは同10.6%増(6575台)、スバルは同181.5%増(4797台)、レクサスは同19.5%増(4485台)、三菱自は同115.5%増(1946台)と前年実績を大きく上回る。
また、前年割れが続いていたダイハツも同2.2%増(2592台)と、6か月ぶりにプラスに転じた。
軽は全ブランドが増 トップはスズキ
軽自動車の5月のブランド別新車販売台数では、すべてのブランドが前年実績超えを成し遂げる。
首位に立ったのはスズキで、前年同月比103.2%増(4万310台)を達成して2か月ぶりのシェアトップにつく。
前月首位のダイハツは、同113.7%増(3万9449台)を記録したものの、第2位に陥落した。
また、新型NワンやマイナーチェンジしたNボックスの販売が堅調なホンダは、同40.8%増(2万2700台)。
さらに、新型ルークスの受注が好調な日産は同30.7%増(1万3167台)、eKシリーズの販売が復調した三菱自は同39.8%増(2597台)と、いずれも2ケタ増を達成する。
一方、OEM供給を受けるブランドでは、トヨタが同87.7%増(3440台)、マツダが同110.1%増(2332台)、スバルが同55.8%増(1572台)と前年実績を大幅に上回った。
ボーナス商戦、減産の動向は?
5月の新車販売の動きについて業界団体の関係者は、「新型コロナウイルス感染拡大の影響で販売が大きく落ち込んでいた前年の反動で、5月は登録車と軽自動車ともに、2ケタの大幅増を記録した。ただし、コロナ前の一昨年のレベル(登録車24万7338台/軽14万8782台)にはまだ戻っていない。自動車用の半導体の不足による減産、それに伴う需給ギャップも解消し切れない状況が続いている」と解説する。
今後の市況に関しては、「例年の6月から7月にかけては、ボーナス商戦によって市場が活性化するものの、今年は緊急事態宣言およびまん延防止等重点措置の延長もあって、やや控えめの展開になりそう。半導体不足による減産で、需給ギャップ解消の見通しも立てられない」と説明。
「一方、新型コロナワクチン接種の進展に伴って、ディーラーへの客足は回復していくことが予想される。メーカーがスケジュールを遅らせていた新型車や特別仕様車も夏に向けて相次いで発売される予定なので、前年実績超えを維持できる可能性は十分にある。ただし、一昨年のレベルに戻るには、もう少し時間がかかりそう」と指摘した。