【主流になり得る実力者】BMW i4 M50 xドライブ プロトタイプへ初試乗 最大543ps 前編
公開 : 2021.06.08 08:25
BMWとして初となる、純EVサルーンのi4。ポルシェ・タイカンに並ぶ能力を備えたMパフォーマンス仕様の試作車を、英国編集部が評価しました。
初めてMパフォーマンスが付く純EV
BMWは、2023年までに最大12種類の純EVをリリースする目標を掲げている。その1台として、オリバー・ツィプセBMW会長の熱いプレゼンテーションから量産版の正式発表を経て、ついに最新のi4への試乗が叶った。
2021年後半から生産が始まる予定の、2世代目4シリーズ・グランクーペをベースとするi4。ハッチバックのi3と、SUVのiX3、先日プロトタイプへの同乗が許されたiXに続く、iというサブブランドとして4番目のモデルになる。
今回初めて試乗したi4は、四輪駆動のM50 xドライブ。当初販売される2種類のi4の内の1つで、もう一方は後輪駆動のeドライブ 40を名乗る。
テスラ・モデル3やポルシェ・タイカンのほか、今後控えているアウディA6 eトロンやメルセデス・ベンツEQEといった純EVの4ドアサルーン・クラスで、優位な立場を築けるだろうか。挑戦は始まったばかりだ。
i4 M50 xドライブは、BMW初の電動4ドアサルーンというだけではない。トップグレードとして、Mパフォーマンスに仕立てられた初めての純EVでもある。本気のMではないから、M3に並ぶ存在ではなく、M 340iの電動版といったところ。
最新のi4がベースとするのは、BMWでは見慣れたCLARプラットフォーム。iXとは異なる。アルミニウムとスチールを組み合わせた構造で、純EVとするために大幅な変更を受けている。
大きなバッテリーはフロアパンに固定。駆動系を制御するシステムが、ボンネットの中を満たしている。
従来のBMWらしいプロポーション
i4の見た目で真っ先に気になる部分といえば、4シリーズと共通する大きなキドニーグリルだろう。純EVではエンジンの冷却機能が不要となるから、i4では塞がれ、空気を通す穴は空いていない。
ヘッドライトの内側には、明るいブルーのハイライトが入る。ボディサイドのブルーのトリムと一緒に、電気自動車だとアピールするように。
サイドビューを観察すると、ボンネットは長く、フロントガラスが強く寝かされていることがわかる。サイドウインドウはフレームレスで、ドアハンドルはボディ面と一体。リアエンドは高く、ノッチバック風だ。
M50のテール上部には、小さなスポイラーが載っている。これまでのMスポーツと一致するディティールといえる。
全体のプロポーションは従来的。古くからのBMWのファンには、魅力的に映るかもしれない。同時にiXなどとは異なり、純EVとしてのモダンさには欠けているようにも思う。読者はどうお感じだろう。
ボディサイズは全長4785mmで、全幅1852mm、全高1448mm。現行の3シリーズは全長が4709mm、全幅1827mm、全高1435mmだから、若干大きいものの似たサイズ感にある。ホイールベースはわずかに長く、2856mmが与えられた。
ドアを開くと、見慣れたデザインの中に新しい要素が散りばめられている。BMW 3シリーズや4シリーズで見られるダッシュボードの上に、メーター用モニターとインフォテインメント用モニターがカーブを描いて載っている。