【最速モデルは必要なかった?】テスラ・モデルSプレイド+ 生産中止 マスクCEO、SNSで明らかに
公開 : 2021.06.08 06:45
導入予定だったテスラ・モデルSの最上位仕様が生産中止に。CEOは「必要なかった」とコメントしています。
「プレイド」で十分だった?
テスラのモデルSとモデルXは、発売以来、最も大幅なアップデートを受け、インテリアが一新されたほか、待望のパフォーマンスモデル「プレイド(Plaid)」が追加された。
来月、米国で発売されるモデルSプレイドとモデルXプレイドは、3基の電気モーターから1020psを発揮。モデルSの場合、0-97km/h加速は1.99秒、1/4マイルで250km/hに達し、最高速度は「適切なタイヤ」を装着すれば320km/hに到達するとイーロン・マスクCEOは述べている。
より大型のモデルXプレイドは、0-97km/h加速に2.5秒を要するが、それでも「あらゆるSUVの中で最も速い加速」を実現する。
そして、1115psを発揮するモデルSの「プレイド+」モデルは、航続距離を現在生産中のどのEVよりも長い830km以上(米国EPAテスト)に伸ばし、0-97km/h加速のタイムをさらに短縮する予定だった。しかし、プレイド+の生産はキャンセルされることが明らかになった。
市販車最速を狙うモデルS
マスクは、間近に迫ったモデルSプレイドのダイナミックなデビューへの期待を高めるために、SNSで次のように述べている。
「プレイド+はキャンセルされました。プレイドがとても良いので、必要ありません」
マスクは、標準仕様のプレイドを「あらゆる市販車の中で最も速いクルマ」と呼び、0-97km/hのタイムが2.0秒以下であることを明かした。市販車最速のタイトルを正式に獲得するためには、新型ハイパーカーのリマック・ネヴェーラの0-100km/h加速1.85秒を超える必要がある。
プレイド+については、テスラが5月に予約受付をひっそりと停止して以来、販売が中止されるのではないかという憶測が流れていた。すでに受注した予約台数については公表されていない。
テスラはプレイド+を、「馬鹿を超えている(beyond ludicrous)」と表現していたが、これはテスラ車の加速性能を向上させる車載機能、ルディクラスモードにちなんだものだ。
バッテリーやインテリアをい大幅刷新
また、今回のアップデートでは、新しいバッテリー技術を採用し、航続距離と電力消費効率を向上させている。具体的な技術内容はまだ確認されていないが、新しい熱管理システムにより、より高速での充電が可能になり、「あらゆる状況下でより多くのパワーと耐久性を発揮する」という。
インテリアも全面的に刷新され、従来の縦長のタッチスクリーンから、「優れた応答性」を備えた17.0インチのワイドスクリーンディスプレイに変更された。ディスプレイは必要に応じて、乗員やドライバーが操作しやすいように左右に傾けることができる。
また、センターコンソールの後部には、8.0インチのインフォテインメント・タッチスクリーンが設置されており、後部座席の乗員がさまざまなエンターテイメントや快適機能にアクセスできるようになっている。
ソフトウェアのアップデートでは、インフォテインメント・システムの処理能力を10テラフロップスに向上させ、ゲーム機能「テスラ・アーケード」が最新の家庭用ゲーム機と同等の機能を持つようになった。
また、22個のスピーカーと960Wのオーディオシステムが標準装備されており、新たにマイクが取り付けられてアクティブ・ノイズ・キャンセリング機能が加わった。
2022年モデルの英国での納車開始は2022年を予定しており、価格はエントリーモデルである「ロングレンジ」のモデルSが8万3980ポンド(1299万円)、モデルXが9万980ポンド(1407万円)からとなっている。
また、プレイドの価格は11万980ポンド(1717万円)からとなっている。