【勝ち組確定?】日産「ノート・オーラ」日系プレミアムコンパクト市場を開拓 日産の戦略とは
公開 : 2021.06.17 05:45 更新 : 2021.06.17 08:06
日産の投入したノート・オーラ。日系プレミアムコンパクトという枠組で新生日産を牽引できるか、新戦略に注目です。
「オーラ」今までにない商品コンセプト
「よくこの企画が日産社内で通ったな?」
日産が導入したノート・オーラについて、そんな感想を持つユーザーは少なくないのではないだろうか?
まるでノートとは別のクルマのような雰囲気がある、日産の新型車だ。
日産が作成した オーラに関するマーケティング戦略の資料を見ると「オーラは今までにない商品コンセプトで、まったく新しいブランドとして新顧客を獲得する」という強気のメッセージが記載されている。
ロゴの表記でも、オーラという大きな文字の上にノートがちょこんと乗っかっているようなイメージであり、「ノートとは別物」という訴求を心掛けている。
そのうえで、ノートは、「コンパクトカーの常識を変える運転の快適さと楽しさが詰まった、先進コンパクト」。
一方、ノート・オーラは、「新時代の電気の走りと上質さを纏った、プレミアムコンパクト」。
ノートでは使っていない、「プレミアム」というキーワードを全面的に出した。
それにしても、なぜ日産はこのタイミングでオーラという発想を市場導入することになったのか?
背景には、コンパクトカーのみならず、自動車のカテゴリー全般が大きな転換期を迎えていることが関係していることは明らかだ。
トヨタSUVで攻勢 対する日産は?
カテゴリーの転換として大きな影響はグローバルでのSUVシフト。
これが巡り巡って、オーラという企画に結び付いたと考えられる。
日本におけるSUVシフトは2010年代に入ってから始まり、2020年代に入りその勢いが加速している印象がある。
中でもトヨタのSUVフルラインナップ化が目立つ。
アメリカで先行発売されたRAV4が日本市場で復活し、カー・オブ・ザ・イヤーを獲得。
RAV4をベースとしたプレミアムSUVとしてハリアーがフルモデルチェンジした。
小型車ではAセグメントよりのBセグメントとして、ダイハツの新プラットフォームDNGA(ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)を採用したダイハツ・ロッキーの兄弟車としてライズが登場。
さらに、ヤリスのSUVバージョンであるヤリス・クロスが人気を博している状況だ。
それでもトヨタのSUVシフトはまだまだ終わらず、ランドクルーザーが中東のUAEでワールドプレミアされ、東南アジアに次いでアメリカでの発売が始まったカローラ・クロスの日本上陸のうわさも絶えない。
そもそもモデルラインナップが豊富なトヨタが、SUVでモデル拡充を急ぐ中、当然日産も新型SUVを含めた多様な新車開発を急いできた。
その全容は2020年5月に公開された4か年の構造改革プラン「ニッサン・ネクスト」で明らかになったが、そこにオーラはいなかった……。