【ねらいは?】ホンダ・フィット1年目の改良 最近のクルマが頻繁に「改良」されるワケ
公開 : 2021.06.19 05:45 更新 : 2021.10.09 23:39
マイナーチェンジなどは2年ごとというのが通例でしたが、最近のクルマが頻繁に改良されるワケを解説します。
新車販売不振に対するテコ入れ?
ホンダは6月にフィットの一部改良を実施した。
これは2020年2月の新型モデル登場から、わずか1年ちょっとというタイミングだ。
通常であれば、一部改良やマイナーチェンジというのは2年ごとというのが、自動車業界での通例。
短すぎるタイミングというのは、「販売へのテコ入れ」だろうか? との思いがよぎる。
なぜなら、新型フィットの販売は、ライバルであるトヨタのヤリスに大きく差をつけられているからだ。
一般社団法人日本自動車販売協会連合会が発表する「乗用車ブランド通称名別順位」をみると、2020年1~12月のフィットの成績は4位(9万8210台)。
一方、ヤリスは堂々の1位(15万1766台)だ。日産のノートは9位(7万2205台)となっている。ノートは下すもののヤリスには届かなかったのだ。
しかし、今回のフィットの一部改良の内容を詳しくチェックしてみれば、それだけではないようだ。
今回の内容はコネクテッド系サービスの進化と特別仕様車の追加であったのだ。特別仕様車の追加は販売のテコ入れだろうが、コネクテッドサービスの進化は、マイナーチェンジというよりも、もっと小さな改良。
まさに文字どおり、ほんの一部の改良であったのだ。
増えるコネクテッド&ADAS系の一部改良
実のところ最近は、こうした今回のフィットのようなマイナーチェンジ未満の一部改良が増えている。
ちなみに、同じく昨年発売開始となったトヨタのヤリスも、今年の5月10日に一部改良をおこなっている。
こちらは、全車速追従機能付きレーダークルーズコントロールの標準装備。いわゆるADAS(先進運転支援システム)の改良である。
また、ホンダのNボックスも2020年のマイナーチェンジの前年となる2019年に一部改良を実施している。この一部改良もADAS系の進化であった。
こうしたADAS系やコネクテッドサービスは最近に登場したばかりであり、まだまだ成長過程にある技術だ。
そのため、その進化は日進月歩。当然、ユーザーは最新の技術が搭載されていてほしい。
それに対応するには、昭和の時代から続く「マイナーチェンジ/改良は2年ごと」という慣習は馴染まないのだろう。
その結果、外観の変更もあわせて改良するマイナーチェンジとは別のタイミングで「一部改良」でアップグレードすることが増えているのだ。